規格外農産物などクッキーに 酒田の老舗燃料店・本竹商店に菓子部門

廃棄される野菜や地元の食材を使い、クッキー「分福ベイク」を作った本間圭輔さん=酒田市

 酒田市の老舗燃料店・本竹商店(本間広治代表)が新たに菓子部門を設け、規格外の農産物や地元の特産品を使ったクッキー「分福(ぶんぶく)ベイク」を発売した。

 同商店は江戸時代後期に海運業として創業し、生活用品小売業を経て昭和30年代に現在の燃料小売業に転換した。菓子部門を立ち上げたのは本間代表の長男で、菓子メーカーでの勤務経験がある圭輔さん(41)。家業に従事する中で「地元の顧客がいないと成り立たない商売。人口減少が続く中、酒田に人を呼べる産業をつくりたい」と感じたという。

 思いついたのが、自らの経験を生かした菓子製造。知人の生産者から聞いていた農産物の規格外品や食品加工の過程で出たかすを廃棄せざるを得ないという課題と組み合わせることにした。試作を重ね、国の事業再構築補助金約700万円を活用し、事業所隣にオーブンを備えた工房も整備した。

 分福ベイクは規格外品を生まれ変わらせた「R(リフォルム)」と地元食材を使った「L(ローカル)」の二つのシリーズがあり、味は計6種類。Rは原材料の25%に規格外の大根とりんごジュースの搾りかすを使用した軟らかい食感のクッキー。スパイスやキャラメル、ラムレーズンを使い、規格外品を使っていると感じさせない味わいにした。Lは県産小麦粉、庄内産のライスパフと米ぬかを使い、シンプルに焼き上げた。

 いずれの味も1箱6枚入りで、475~540円。同商店と鶴岡市の清川屋鶴岡インター店、産直あぐりで販売している。4月から専用サイトで取り扱う。URLはhttps://bunbukubake.com/

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