三崎小の女子児童が着物姿で卒業式 晴れ着に込めた住民の思い (愛媛)

愛媛県内多くの地域で小学校の卒業式があった22日、伊方町の三崎小学校では女子児童が袴姿で式典に臨みました。彼女たちの晴れ姿には地域住民の思いがありました。

伊方町三崎にある美容室。この日は小学校の卒業式です。

店主の浜本喜代子さんが早朝から児童たちの着物の着付けに追われています。

(保護者)「とてもきれいだと思います」

浜本さんは、和装の着付けで高い技術を持つ85歳の現役美容師。
この道60年以上の大ベテランです。

着付けてもらっているのは、三崎小学校を卒業する木村美優さんら3人。
6年生の女子児童は彼女たちだけです。

幼いころから地域の人たちに見守られ成長してきた3人。
彼女たちの晴れ姿を地域の人に見てもらおうと、住民の有志が浜本さんに着付けを依頼しました。

(保護者)
「イベントをした時に踊りを舞っている姿を見て地域の方々が涙を流して見てくださって感動してくださってその光景を見た時、子どもたちは町の宝だと思いました」

日本の伝統文化「着物」で卒業式に送り出せるとあって、浜本さんも腕によりをかけて3人を美しく装いました。

(卒業生・大西愛さん)
「今まで見守ってくれてありがとうという気持ちです」

(浜本喜代子さん)
「子どもたちの門出に立ち合えてすごく喜んでおります美容師としてこういう光栄はありません」

「卒業生入場」戦後、ピーク時には400人近くの児童が通っていたという三崎小。
過疎化や少子化の影響で今では全校児童40人程です。
今年は9人の児童が在校生たちに見送られ、学び舎を巣立ちました。

(卒業生)「ありがとうございました」

(三崎小学校・黒田立史校長)
「子どもたちを宝物のよう育てていただいているので感謝の気持ちでいっぱい」

(卒業生)
「(同級生が)いつもよりおしゃれをしてよいと思います」

(木村美優さん)
「うれしかったです」

(大西愛さん)
「楽しかったです」

(小枝永茉さん)
「みんなに送ってもらうことができてうれしかったです」

仲間とともに卒業の日を迎えた3人の女子児童。

華やかな袴姿には、子どもたちの成長の喜びを分かち合う地域住民のあたたかな思いが込められていました。

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