「緊急性が高いときは迷わず救急車を」 宇都宮の救急出動、最多を更新 高齢化、猛暑影響か 2023年消防局まとめ

 【宇都宮】2023年の市内の救急出動件数は前年比2467件(10.0%)増の2万7151件で、最多を更新したことが27日までに、市消防局のまとめで分かった。増加は3年連続で、高齢化の進展や記録的な猛暑の影響が要因とみられる。

 救急出動の内訳は急病が1万7470件で最も多く64%を占めた。このほか転院搬送、一般負傷、交通事故と続いた。搬送人数は2057人(10.3%)増の2万1932人。うち70歳以上は1万1779人と全体の5割強だった。

 1年間で最も出動が多かったのは7月で、時間帯は午前10時から正午までの間だった。最も少なかったのは2月。1日当たりの出動件数は74件で、搬送人数は60人。救急車は19分に1回の割合で出動している格好だ。

 一方、救助出動は476件で29件(6.5%)の増。過去最多となる200人を救助した。施錠された室内で具合が悪くなるなど、建物で発生する事故や救急支援が増えた。救助人員の内訳は建物などによる事故78件、交通事故65件、その他の事故41件だった。

 救急・救助出動は年々増加しており、市消防局警防課の担当者は「緊急性が高いと判断したときは迷わず救急車を要請してほしい。ただ救急車は限りのある資源なので、適正利用に協力してほしい」と呼びかけた。

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