都心部や近郊では広い敷地はなかなか望めません。しかし、狭いからといって、よい庭がつくれないということはありません。植栽スペースをきちんと把握し、わが家の住まいにマッチしたコンパクトで美しい庭をめざしましょう。ここでは、レンガを並べるだけでできる縁取り花壇のつくり方をご紹介します。
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レンガで縁取りのミニ花壇をつくろう
はじめてでもつくりやすい、レンガを並べただけの縁取り花壇のつくり方をご紹介しましょう。目地をモルタルなどで固めないので、撤去やつくり直しが簡単。賃貸住宅の庭でも楽しめます。レンガはアンティーク調や地中海風など種類が豊富な資材。比較的簡単に割ることもできるので、いろいろな形、大きさの花壇でもつくれます。
ただし、縁取り花壇は地面を掘り起こしてつくるので、土がかたい場所は作業に手がかかります。水はけが悪い場所では、根詰まりや根腐れを防ぐために深く耕さなくてはなりません。
また、水道管などが埋まっている場所は避ける必要があります。
日当たりや風通しを含め、条件に合うか、よく場所を確かめましょう。芝生の庭での花壇づくりを例にしていますが、土の庭でもプロセスは同じです。
【用意するもの】
レンガ、石灰、根止め資材、スコップ、手袋、花の苗、土壌改良剤、赤玉土、花壇用の培養土(芝生の庭の場合は鎌も)
①レンガを用意する
植える花や周囲の環境と雰囲気に合ったレンガを選ぶ。花壇にする場所の寸法を測って、必要な個数を用意しておく。
②レンガを仮置きする
花壇をつくりたい場所にレンガを仮置きして、レンガの数が足りているかどうか、形がイメージどおりかなどを確かめる。並べ方はお好みで。写真のようにレンガを2段に重ねても、縦にして並べてもいい。
③縁取りのアウトラインを引く
並べたレンガの外側に、石灰などで線を引く。土を軽く掘って印をつけてもよい。
④レンガをいったん取り除く
仮置きしたレンガをとり除く。花壇の大きさは修正があれば、ここで調整しておく。
⑤線に沿ってスコップを入れる
石灰などで引いた線に沿って、スコップの先を垂直に突きさし、土を掘り起こしやすくする(芝生の場合は芝を切る)。
芝生の庭の場合は
芝を切り分ける
⑤で線に沿ってスコップを入れたあと、芝をはがしやすい大きさに切り分けておく。
芝をはぎとる
芝の下に鎌などを入れて、芝をはぎとる。はぎとった芝は保存しておいて、ほかの場所に敷くこともできる。
⑥土を掘り起こす
花壇にする場所全体をスコップで掘り起こす。できれば深さ50㎝程度は掘り起こしておきたい。
⑦土を混ぜる
土壌改良剤を土に加え、まんべんなく行きわたるように、スコップで土をよく混ぜ合わせる。
土づくりをする
草花が丈夫に育つ花壇にするためには、土壌の改良が必要。掘り起こした土の中の小石や瓦礫、植物の根などをていねいにとり除き、苦土石灰、培養土、ピートモス、腐葉土、鹿沼土、固形肥料、くん炭など、その土地の状態や育てたい植物に合わせて、適切な種類と量の土壌改良剤を加える。どの土壌改良剤がいいかわからないときは、園芸店のスタッフに相談しても。
⑧縁を踏み固める
レンガを並べる部分を足で踏み固める。神経質になる必要はないが、仕上がりの美しさを左右するので、できるだけ深さが均一になるようにする。
⑨レンガを並べる
踏み固めたところに、仮置きしたときと同じようにレンガを並べる。
⑩根止め資材を打ち込む
根が広がらないように、花壇や芝生用の土止め・根止め資材を、レンガでつくった花壇の縁の内側に打ち込む。芝生の庭でも、芝が花壇への侵入を防ぐ。レンガのくずれなどを防止する効果もある。
⑪土を足す
土が足りない場合は、赤玉土や花壇用の培養土などを加えて混ぜる。
でき上がり!
土の表面を平らにならし、周辺に散った土を片づけてでき上がり。
花を植えたら花壇の完成
苗をいったん土の上に配置して、植える位置を決める。スイートアリッサムのようにカーペット状に広がるものは花壇の前列か縁取りに。パンジーなどの背丈が低く、こんもり茂るものは花壇の中央に。チューリップのように背丈の高いものは花壇の奥に。手前から奥へ背丈が高くなるようにすると、見ばえのよい花壇になる。
※この記事は『日陰と小さなスペースの庭づくり 』(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。