大会初2連覇の東久留米西 灘千賀子監督(福島女高出身)「恩返しできた」 春中ハンド福島県代替開催

東久留米西を大会初の2連覇に導いた灘監督(手前右)

 能登半島地震を受け、富山県氷見市から福島県内に会場が移った春の全国中学生ハンドボール選手権大会(春中ハンド)で、福島女高(現・橘高)出身の灘千賀子監督(52)が27日、女子の東久留米西(東京)を大会初の2連覇に導いた。「優勝という形で福島に恩返しできた」と目を赤くした。

 大阪府出身。父宝一さんの転勤に伴い、小学3年から高校卒業まで福島市で過ごした。福島女高でハンドボールに出合ったのをきっかけに、指導者の道に進んだ。「いろいろな地域で過ごしてきたが、中でも福島が大好き」と愛着心を持つ。

 地震の影響で一時は開催が危ぶまれた大会。「開催できなくても仕方ないと思って練習していた」と明かす。それでも、福島県などの関係団体の尽力で、ゆかりの深い地での代替開催に強い縁を感じた。全国制覇に向けた練習の指導にも一層熱が入った。

 決勝は手に汗握る接戦の末、1点差で制した。優勝が決まった瞬間にコートへ駆け出し、選手たちと抱き合って喜びを分かち合った。「福島で優勝してくれた子どもたちに感謝したい」と声を弾ませた。

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