チューリップ畑、減る植え付け数 鶴岡「いこいの村公園」、今季は3万球に

約3万球が植えられたチューリップ畑。4月15日ごろの開花が見込まれる=鶴岡市千安京田

 鶴岡市の「いこいの村公園」のチューリップ畑が岐路に立っている。毎年大勢の家族連れらを集める人気スポットだが、中心となって栽培する市民団体の会員減少や高齢化で年々植え付ける球根数が減っている。今季は昨季より5000球ほど少ない約3万球にとどまった。公園を管理する市と相談し、一部にバラなど別の植物を植える案も浮上している。

 市民団体は「庄内チューリップ倶楽部」(中村恵二代表)。県の宿泊施設「いこいの村庄内」が2016年に閉鎖し、手つかずになっていたチューリップ園を再生しようと、活動を始めた。市民ボランティアの協力を得ながら、20年春に4年ぶりに復活させた。

 その後も毎年、咲き終わった5月に球根を掘り起こし、夏にかけて天日干しや皮むきなどの作業を継続。秋に植え付け、翌年春に花を咲かせてきた。

 だが、かつて30人ほどいた市内の60代を中心とした会員は年々減少し、現在は6人ほど。ほとんどが手作業で特に球根の掘り起こしは力仕事という。ボランティアも少なくなり、21、22年の春に向けては約4万5千球を植えたが、23年春分は約3万5千球がやっとだった。24年春分は約3万球とさらに減少した。

 「昨秋の段階で一時は栽培断念も話し合った」と中村代表。それでも年々増える観覧者のために続けることにした。ただ、継続に向けた不安は尽きず、今後のあり方について市に相談している。中村代表は「今の会員数から2万5千球ぐらいが身の丈にあった数だと考えている」と話す。

 市農山漁村振興課は「いこいの村といえばチューリップのイメージがある。いこいの村公園環境保全サポートクラブの他団体とも意見交換しながら、今後のゾーニングなどについて検討したい」としている。今季は4月15日ごろの開花を見込み、20、21日にはキッチンカーやクラフトショップが出店する開幕イベントを開く予定。

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