先端研の成果、地域に 慶応義塾と県、鶴岡市が6期目の協定結ぶ

締結式で記念撮影する(右から)伊藤公平塾長、吉村美栄子知事、皆川治市長=県庁

 学校法人慶応義塾と県、鶴岡市は27日、慶応大先端生命科学研究所(先端研、同市)を核にした研究教育活動プロジェクトを今後も共同推進するための協定を結んだ。期間は2024~28年の5年間で、今回が6期目になる。今期は先端研の研究成果を活用し、幅広い地域活性化の取り組みを県内全域で推進する。

 先端研は01年に開設された。細胞内を丸ごと短時間で調べるメタボローム解析技術で世界をリードし、医療、環境、農業、食品の各分野に応用されている。先端研発のベンチャー企業も8社が生まれている。

 協定に基づき、慶応義塾は世界的なバイオ研究拠点の形成に向けた研究教育のほか、県、鶴岡市と共に▽県内産業の振興に向けた産学官連携▽将来の地域を担う人材の育成▽国内外との交流拡大―に取り組む。県と鶴岡市は毎年計7億円を拠出して研究を支援し、研究成果を積極的に活用することで地域産業の振興と地域活性化を図る。

 県庁で締結式が行われ、慶応義塾の伊藤公平塾長、吉村美栄子知事、皆川治市長が協定書に署名した。伊藤塾長は「先端研は社会に新しい価値を生み出す源泉。今後も共同研究やベンチャー企業創出に努め、産業振興、雇用拡大、地域活性化に寄与したい」と意気込みを語った。吉村知事は「研究成果や地域との交流を本県産業の振興につなげたい」と述べ、皆川市長は「ベンチャー企業の事業ステージに応じて支援し、雇用拡大を目指す」と話した。

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