「市の担当者に責任転嫁する言動に終始」 岩手・盛岡市から生活保護費を不正受給 住居不定無職の男に懲役6年の実刑判決

岩手県盛岡市から生活保護費を不正に受け取ったとして詐欺の罪に問われた男に対し、盛岡地裁は28日、懲役6年の実刑判決を言い渡しました。

判決を言い渡されたのは住居不定・無職の糸田仁被告(56)です。判決によりますと糸田被告は2018年9月4日ごろから2021年3月29日ごろまでの間、妻と共謀し、盛岡市に生活保護の住宅扶助費を申請する際、32回にわたりホテル代金を水増しした領収書を盛岡市に提出し、実際の宿泊費との差額575万円あまりを市からだまし取りました。糸田被告は以前住んでいた賃貸住宅を強制退去となった後、妻と父親とともにホテルで暮らしていました。

28日の判決公判で盛岡地裁の中島真一郎裁判長は「実際の宿泊費より高く記載された領収書と知りながら提出し、住宅一時扶助費として支給を受けたと認められる」と述べ詐欺罪が成立するとしました。また「生活保護制度の適正かつ公正な運用を損なわせる悪質性の高い狡猾な犯行」「市の担当者に責任を転嫁する言動に終始するなど被告の刑事責任は重大」と指摘した上で、懲役8年の求刑に対し懲役6年の実刑判決を言い渡しました。控訴について糸田被告の弁護士は「まだ決まっていない」とコメントしています。

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