【ミャンマー】カレン勢力、タイ支援への国軍参加を非難[社会]

タイからの人道支援物資がミャンマー国内避難民へ手渡された=26日、カイン州(タイ外務省提供)

ミャンマー東部カイン(カレン)州の少数民族武装勢力のカレン民族同盟(KNU)は27日、タイ政府によるミャンマー国内避難民への人道支援に対する声明を発表した。声明の中で、国軍関係者とその統治下にあるミャンマー赤十字社(MRCS)の支援参加を非難した。

タイ側は25日、同国北西部のターク県メソトで、ミャンマー赤十字社に支援物資を手渡した。物資はカイン州のナブ、パインチョン、タマニャの3地域に逃れた2万人の国内避難民に配布された。これらの地域はKNUの支配下にある。

メソトと国境を接するミャワディから対象地域への輸送はカレン国境警備隊(BGF)が行い、タイ陸軍の担当者も同行したという。カレンBGFは今年1月までミャンマー国軍の指揮下にあったが、現在は距離を置き、中立の立場を取っている。

KNUは、ナブではタイ陸軍担当者が支援物資を避難民に配布したが、パインチョンとタマニャでは、予期せず国軍の国家統治評議会(SAC)とミャンマー赤十字社の担当者が配布に加わったと説明した。

ミャンマーでの人道危機を意図的に引き起こしたSACや、そのSACの支配下にあるMRCSを通じて人道支援を行うことは、人々の苦しみを無視していると批判。人道支援には透明性や説明責任、各方面の関係者の協議が不可欠であり、関係者の信頼関係を損なうような活動は問題を深刻化させるだけだと非難した。今後は、支援の際に協議や情報共有を行うよう要請した。

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