頻尿・尿漏れを改善する、「骨盤底筋トレーニング」。家でも外でも、どんなシチュエーションでも行うことができて、キュッと締めるだけと、とてもカンタン。何歳からでも始められます。「もう遅い」ということがないのも魅力的ですね。日本泌尿器学会専門医の関口由紀さんに教えてもらいましょう。
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エクササイズで6〜7割は改善
頻尿・尿漏れなどの尿トラブルは、改善することができるのでしょうか?
加齢や骨盤底のゆるみなどによる尿トラブルは、骨盤底筋トレーニングなどのエクササイズによって6〜7割は改善することがわかっています。
でも、「もう年だから遅い」ということはないのでしょうか。
80歳以上になっても、私は全身の筋肉運動をしましょうとすすめています。尿道周囲の骨盤底筋群も、骨盤底筋トレーニングを続けることで、鍛えれば鍛えるほど、機能がアップしていきます。骨盤底筋トレーニングを続けるだけで、90歳を過ぎても、尿トラブルを起こさず、生涯おむつなしで生活できる可能性も高くなります。
もちろん、トレーニングは早く始めるにこしたことはありません。トイレが近くなってきたと感じ始めたときから早めに骨盤底筋トレーニングを始めると、筋肉量が減っていくスピードが遅くなり、将来の尿漏れを防ぐことが可能です。
骨盤底筋トレーニングは、家でも外でも、どこでもできるトレーニングです。何かをしながら行えばOKです。あまり頭を使わない場面に組み込んで、習慣化してしまいましょう。
電車やバスで骨盤底筋トレーニング
外出時、乗り物で移動中は、骨盤底筋トレーニングを行う絶好のチャンスです。
座っていても立っていても、ちつと肛門をキュッと締め、グッと上に持ち上げます。尿道が締まる感覚をくりかえし練習しておきましょう。
【1】全身をリラックスさせ、ほかに力を入れずに立ちます。走行中の電車の中では、つり革につかまって、転ばないように気をつけましょう。
【2】ちつと肛門をキュッと締め、息を吐きながら3、4秒かけて、上方向に持ち上げます。下半身に力を入れない姿勢で骨盤底筋トレーニングを行うと、ちつ前方の収縮がしやすくなります。
外出先で不意に尿意を感じたときは、とっさに尿道をキュッと締めれば、もれを防ぐことができます。
乗り物の中で座っているときは、背筋を伸ばして、ひざと太ももをぴったりくっつけるようにします。こうすると、骨盤底筋と協調して動く内またの筋肉(内転筋)も鍛えられて、骨盤底全体の強化に役立ちます。
歩行中も骨盤底筋トレーニング
最寄りの駅や目的地まで歩くときには、大また、速足で歩きましょう。
1日に最低30分、できれば40分以上、心拍数を上げる運動をすると、骨盤底の筋肉を含むインナーマッスルや骨を強化できます。大また、速足で歩いて心拍数を上げていきましょう。
寝たままでも骨盤底筋トレーニング
布団の中で横になったままできる、骨盤底筋トレーニングです。
【1】あおむけになり、ひざを立てます。
【2】ちつと肛門をキュッと締めます。腹筋や骨盤が動かないようにするのがコツ。手をおなかに置いてチェックしながら行いましょう。
【3】ちつと肛門を締めたまま、息を吐きながら、胃の方向にグーっと吸い込むように引き寄せます。
【4】息を吸ってリラックスしましょう。
★目安★
【1】〜【4】を1セットで、5回、行いましょう。
骨盤底はふだんの生活では鍛えにくい、体の奥に位置しているインナーマッスルです。
(骨盤の底に位置します。左のイラストでは濃い赤色の部分)
日ごろから意識してトレーニングを行い、強化しておくことが大切です!
※この記事は『「トイレが近い」人のお助けBOOK』関口由紀監修(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。
※2022年11月29日に配信した記事を再編集しています。
監修者
女性医療クリニックLUNAグループ(横浜元町)理事長 関口由紀
横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学講座客員教授
インターネットサイト フェムゾーンラボ社長
日本フェムテック協会代表理事
日本泌尿器科学会認定専門医・指導医
日本東洋医学会認定専門医・指導医
日本性機能学会認定専門医
日本排尿機能学会認定専門医
医学博士
経営学修士(MBA)
日本メンズヘルス医学会テストステロン治療認定医