鳥取大で教員養成復活を 平井知事が大学と協議開始

鳥取県の平井伸治知事

 教員確保に向けて鳥取大に教員養成課程が必要と主張している鳥取県の平井伸治知事が28日、大学側と協議組織をつくって議論する意向を明らかにした。国への働きかけも検討する。県内の大学に教員養成課程がなく、かつて鳥取大にあった課程の復活に向けて動き出す。

 平井知事は同日の定例会見で、21日の鳥取大経営協議会や27日に中島広光学長と面談した際に復活の必要性を主張したことを明らかにし、「結論はまだ出ていない。話し合いは始まったところだ」と説明。教育機能や教員養成機能の確保に向けて「協議の場づくりから始めていきたい」と強調した。

 大学側の反応は「文部科学省の姿勢や今後の大学改革の行方も絡み、必ずしも積極的とは言えない」とする一方、入試倍率の向上や入学生確保にもつながるとして「今後もしっかりと交渉したい」と話した。

 鳥取大は2004年に島根大と合意の上、島根大教育学部が教員養成に特化することになり、鳥取大は教育地域科学部を地域学部に転換した。

 平井知事は、県内大学に教員養成課程がないことは教員の確保や若者の流出に影響しているとみており、2月定例県議会の一般質問では「もう一度、教員養成を鳥取大の機能としてやっていただくようにすべきなのかもしれない」と答弁していた。

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