【大阪杯/追い切り診断】GIホースにまさかの「B」評価 「迷いの表れが垣間見える」

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■ソールオリエンス

【中間調整】京成杯で豪快な末脚を繰り出し勝利。ひと息おいて臨んだ皐月賞では京成杯よりもさらに後方、4角17番手通過という位置取りでコーナーワークで膨れる悪癖も見せたものの、直線に向いてからは次元の違う切れ味で馬群をひと呑みし、クラシック1冠目を手中に収めた。その後ここまで勝利こそないが、脚質ゆえの“勝ち味の遅さ”か。前走の中山記念4着もポテンシャルを考えれば物足りないが、中山芝1800mが忙しかったこと、イン前有利の馬場状態と展開に泣いた面から情状酌量の余地あり。

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中山記念をステップに、大阪杯へ進むのは既定路線。3月6日に中間初時計ウッド70-40を出して以降、稽古本数を順調に重ねている。1週前追いにはコンビ再結成となる横山武騎手が跨り、ウッドで併せ馬。やや気負い気味ながらも脚はしっかり溜まっており先行していたボンドガール(NZT出走予定)と楽々併入とした。

【最終追い切り】レース当週は嶋田騎手が騎乗し、ウッドで3頭併せ。比較的速いラップを刻んで進んだが、ブレのないフォームで追走し、ラストは見せムチに反応し迫力ある伸び脚から1頭に先着、1頭と併入とした。

【見解】仕掛けられての伸び脚は“さすがGI馬”を思わせるものがある。しかし関西遠征を控えた最終追いで異例ともいえる5F65秒7(馬なり)を出したのは気になるところ。それまでの動きになんらか物足りなさがあり、直前で攻めを強めなくてはいけなかったのかもしれない。今回初めて装着するブリンカーに関しても“効果てきめん”となる可能性はもちろんあるが、直前の稽古含めて迷いの表れが垣間見える。人気になり過ぎるなら嫌うのも一手か。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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