【大阪杯/追い切り診断】打倒ローシャムパークの一角に「A」の高評価 「持てる力を遺憾なく発揮できる状態」

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■タスティエーラ

【中間調整】弥生賞勝ちの勢いに乗って臨んだ昨年の皐月賞は、ソールオリエンスの切れに屈して1馬身1/4差の2着。しかし日本ダービーでは立ち回りの上手さと渋太さを活かしソールにハナ差先着の1着とリベンジし、見事世代の頂点の座を掴んだ。菊花賞はぶっつけで挑み、ドゥレッツアに3馬身半差と決定的な差をつけられたものの2着を確保。クラシック3冠でのオール連対を果たしている。その後、有馬記念で古馬勢との初対決に臨むも、外枠や直線で挟まるなど不利が重なって0秒6差6着というほろ苦い結果に終わった。

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その後の進路は3月30日(現地時間)のドバイシーマクラシックと両にらみではあったが、本線は当初から大阪杯。オーナーサイドとの協議の末、2月下旬に鞍上・松山騎手で大阪杯へ進むことが正式に決定した。2月28日に美浦へ帰厩し、翌29日にウッド5F67秒7(馬なり)とさっそく意欲的な初時計を出している。2週前のウッド併せ馬ではダノンベルーガに先着、5F63秒7(仕掛け)という自己ベストタイムをマーク。反動があったようで17日の日曜追いはパスしたが、1週前追いではウッド単走5F65秒4(馬なり)を出せており、問題なく回復できたようだ。

【最終追い切り】輸送を控えたレース当週は終い重点のウッド単走。精神面の鍛錬に注力したような内容で、リズムを保って走らせることを意識した内容を消化した。直線で若干だけフワッとしたものの、許容範囲。ラストはまったくの馬なりながら四肢を大きく使ってしなやかに伸びることができていた。

【見解】2週前追いがオーバーワークだったようだが、1週前追い、そして24日の日曜追いを順調にこなしており、大丈夫そうだ。最終追いでは軽めの負荷でもこの馬らしい四肢をのびやかに使った動きができており、ほぼ万全。1週前、今週と連続の単走追いも自分の走りに集中させ、関西遠征戦前に無駄な消耗を避けるという意味でいい方に出そう。持てる力を遺憾なく発揮できる状態だ。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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