今週末は「花見に行ってみようかな」という人も多いかもしれませんが、注意したいのが「黄砂」です。
気象庁は29日から31日にかけ、全国の幅広い地域で黄砂に注意が必要と発表しました。専門家が警鐘を鳴らすのが、黄砂と花粉が相まって起きる「花粉爆発」。花粉症やぜんそくなど、アレルギー疾患を持った人は特に注意が必要です。
29日午後の鳥取県米子市内。
きれいな青空が広がり、気温も上がりましたが、少し靄がかかっているでしょうか…。
土江諒 記者
「車のボンネットを見てみると…茶色いものが薄っすら付着しています」
そう、黄砂です。
気象庁によりますと、山陰地方を含む全国の広い範囲で29日(金)から31日(日)にかけ、中国大陸から黄砂が飛来する予想です。
黄砂の予想シミュレーションを見ると、山陰地方は29日夜には飛来した黄砂ですっぽり覆われ、30日の朝には、日本のほぼ全域に黄砂が広がっています。
その後、31日の夜の始めにかけて山陰地方には黄砂が残り続ける予想となっています。
屋外では所により黄砂が付着するなどの影響が予想され、気象台では視程が5キロメートル未満となった場合、交通への障害が発生するおそれがあるとして注意を呼びかけています。
「黄砂」の襲来。
アレルギー疾患の悪化に特に注意が必要だと専門家は警鐘を鳴らします。
近畿大学病院アレルギーセンター 佐野博幸 教授
「まずは鼻炎症状を悪くします。もう1つは黄砂と一緒の時期になると「花粉爆発」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、黄砂の成分はpHがアルカリ性になっているので、これが花粉とぶつかると花粉がばらけやすくなります。
すると小さな花粉になって下気道にまで入ってきて、ぜんそくを悪くすることがあります」
黄砂は中国大陸から日本に飛来する際に、化学物質や金属成分、カビなどを付着させます。
それを体内に吸収してしまうことで、花粉症やぜんそくなどのアレルギー疾患の増悪に繋がるといいます。
この週末は花見に出かけるという人も多い思いかもしれませんが…
近畿大学病院アレルギーセンター 佐野博幸 教授
「この週末はたくさんの人が花見に出られると思いますが、まずは鼻炎やぜんそくの状態が非常に悪いとすれば、どうしても出ないといけないということになると、当日からではなくて今晩からしっかりもう一度振り返って治療していただくということが必要。
それから、無いよりはましですので、マスク会食みたいな感じで参加してもらう方が良いと思います」
治療にはアレルギー疾患向けの内服薬や点鼻薬などが有効だということですが、黄砂がひどい場合は、外出を控えることも検討が必要かもしれません。