道の駅「狼煙」4日再開 珠洲市内で初、ボランティアに土産販売

4月の営業再開に向け話し合う関係者=珠洲市狼煙町

 能登半島地震の影響で休業していた珠洲市狼煙(のろし)町の道の駅「狼煙」が4月4日、営業を再開する。水道施設が故障しており、料理の提供や生ものの販売はできないが、限られた商品で県内外から訪れたボランティアや地元住民をもてなす。震災後、市内で道の駅が再開するのは初めてで、関係者は「営業再開で復興を後押ししたい」と準備を進めている。

  ●オンライン販売も「地域に活気取り戻す」

 道の駅「狼煙」は、禄剛埼灯台などを訪れる観光客の拠点として2009年に開業した。民芸品といった土産物や地物の海産物などを販売し、飲食スペースでは地元特産「大浜大豆」の豆腐や「丹生(にふ)そば」を味わうことができる。

 元日の地震では、建物に被害はほぼなかったものの、商品棚が倒れ、店内に品物が散乱した。豆腐をパッケージ加工する機械が故障したほか、浄化槽と水道パイプも破損し、現在も十分に水を使うことができない。

 地震発生から3カ月がたち、従業員が全員無事だったことや、地震により地元農家が栽培した農産物の卸先がなくなったことから、生産者を助け、地域活性化につなげようと、再開することを決めた。

 営業は毎週木、日曜日の午前9時~午後2時で、4日からはオンライン販売も再開する。災害ボランティアが道の駅の駐車場で休憩していることも多く、県外から訪れたボランティア向けに、民芸品などの土産品を中心に販売する。

 そばの調理はできないが、生麺と乾麺のそばや大浜大豆のみそのほか、地元農家の野菜や山菜も並べる。再開後は、仮設トイレも設置する。

 今後、地域住民や利用者の要望に合わせ、営業日や営業時間、品ぞろえを調整していく。二三味義春社長は「店が開いてると、観光客だけでなく、住民も顔を出してくれる。地域に活気を取り戻していきたい」と話した。

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