元ミス日本 伊藤千桃さんの葉山での暮らし「たくさん実った夏みかん、皮も捨てずに活用します」

自然に恵まれた神奈川県葉山町で暮らす、伊藤千桃さん。質素で豊か。ありのままの、飾らない自然な暮らしを楽しんでいらっしゃいます。千桃さんの春支度や季節の味について、お話を伺いました。庭でとれた夏みかんで、ピールや夏みかんカード、夏みかんマーマレードを作ります!

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profile
伊藤千桃さん
いとう・ちもも●1950年ジャカルタ生まれ、1972年度ミス日本、元女優。結婚後、子育てのために葉山に移り住む。離婚後は「桃花源」の屋号でレストランを営み、旬の地野菜を使った料理で人気に。現在はデリバリーや民泊、オリジナルの野草茶の販売(https://chimomo.official.ec/)や、『いとよし』とのコラボでワークショップ(https://ito-yoshi.com/)を行う。
著書に『千桃流・暮らしの知恵』※現在は電子書籍版のみの扱い(主婦の友社)。

夏みかんは、実も果汁も皮も使えて捨てるところなし!

夏ではなく春先から実をつけ始める夏みかん。収穫時期が長く、実も皮も使えて本当に重宝。皮も実もあますことなく使えます。

皮はピールに、絞り汁は夏みかんカードやサラダのドレッシングに。今年は夏みかんが大豊作だったそうで、伊藤家は夏みかんの料理作りで大忙しです。

「庭に30年以上前に植えた夏みかんの木、今でもかごいっぱい収穫させてくれています。毎年、木にたわわに実が成っているのを見ると嬉しくなり、収穫するときの喜びはたまりません。新鮮かつ無農薬なので安心して、何にでも利用できます。今年は特に豊作で、ピールや夏みかんカードや夏みかんマーマレードを作っています」

1本の夏みかんの木からかごいっぱい収穫!
夏みかんをグレープフルーツ絞り器で絞り、炭酸ソーダで割ってドリンクに。
酸味が苦手な方は、お好みではちみつを加えて。
夏みかんはレモンより酸味が控えめで料理に使いやすく、ラぺサラダのドレッシングにも。
夏みかんカードの作り方

ボウルに卵1個を入れてよく混ぜ、グラニュー糖50g、夏みかんの絞り汁50g、1cm幅に切った無塩バター50gを混ぜて、70〜80度の湯にボウルを浮かべて湯煎する。混ぜて続け、とろっとしたら出来上がり。

庭に落ちていた夏みかんの皮。「野生のリスの食べ残しですね。もったいないので、拾って水垢掃除に活用。蛇口のうろこ汚れをこするときれいに取れますよ」

皮がこんなに美味しいスイーツに!ストックしたい夏みかんピール

夏みかんの皮のピールは、グラノーラに入れてお茶請けにしたり、パウンドケーキに入れたり、チョコレートがけに。爽やかで心地いい香りが口いっぱいに広がります。

「細いとカリカリとクリスピーに、厚いと弾力のあるしっとりとした仕上がりになります。2回茹でこぼすと食べたときに舌がピリピリせず、まろやかに。茹で湯は床や油汚れ掃除に活用できるので捨てずにバケツに取っておくといいですよ」

夏みかんピールの作り方

①夏みかんの皮(無農薬のもの)をスポンジやたわし、塩などでこすってていねいに洗い、皮を4等分に切って、実を外す。

②ヘタの所は切り少し落とし、皮の内側の白いワタ部分を包丁で削いで切り取る。
鍋に水と①を入れて沸かし、ぐらぐらと茹でて渋みを抜き、2回茹でこぼし、ザルにあげて冷ます。
②の粗熱が取れたら、3ミリ幅ほどに細切りにする。
ゆであがった皮の重さを計って鍋に入れ、同じ量の砂糖を鍋に加える。砂糖が溶ける程度の水を加えて木ベラで混ぜながら煮る。

③水分が減り、果肉が透き通ってきたら、さらに焦げ付かないように混ぜ、水分が無くなったら、菜箸でひとつひとつ鍋から取り出し、網やバットに並べて冷ます。

撮影/砂原文


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