はしかの感染者が全国で相次いで確認されています。
はしかの感染力は非常に強く、より確実な免疫を得るためには、2回の接種がのぞましいとされています。
そこで、ワクチン接種歴1回の番組スタッフ2人が、抗体検査を受けてみました。1回の接種でどれほど免疫がついていたのでしょうか。
はしか。発熱やせき、発疹が出るウイルス性の感染症で、感染力が非常に強く空気感染や飛沫感染、接触感染が主な感染経路です。
そして、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、肺炎や脳炎を引き起こして、重症化したり、死亡したりする場合もあります。
国内でも今年に入り感染が広がっていて、厚労省などが予防接種の検討を呼び掛けています。
ただ、ワクチン接種回数は年代によって異なります。
特に、未接種の可能性がある1972年9月30日生まれまでの人、1回だけ接種した可能性がある1972年10月1日~2000年4月1日生まれの人は注意が必要です。
厚労省によりますと、麻しん含有ワクチンを1回接種することによって、95%程度の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができるといわれています。
また、2回の接種を受けることで、1回の接種では免疫が付かなかった人の多くに免疫をつけることができるとして、2回の接種がのぞましいといいます。
BSSテレビ「テレポート山陰」スタッフのこちらの2人。
1987年生まれの秦キャスター、1978年生まれの山本記者の場合、ワクチンを1回しか打っておらず、2回目の接種を検討しています。
そこで、子どもの頃の接種歴1回でどれだけ免疫が付いているのか、今回、抗体検査を受けてみました。
検査は血液検査のみです。
検査からおよそ1週間後、結果が返ってきました。
麻疹ウイルスと戦う抗体価は、果たして、どれだけ付いているのでしょうか。
武本クリニック 武本祐 院長
「麻疹ウイルス抗体を測定しました。基準値は上回っていましたので、抗体は有している状態なんですが、文献等を参照しますと、予防には十分ではない、そのような言い方になるかと思います」
今回の抗体検査、秦キャスターが7.5。
山本記者が7.8という結果でした。
日本環境感染学会が作成した「医療関係者のためのワクチンガイドライン第3版」によりますと、この検査では、抗体の値を大きく3つに分けることができます。
抗体の値が16以上だと、今すぐの予防接種は不要。
抗体の値が2.0~16の間であれば、1回の予防接種が必要。
抗体の値が2.0未満であれば、2回の予防接種が必要という目安です。
秦キャスター・山本記者、2人とも30年以上前の1回接種で、真ん中の2.0~16の間という結果でした。
この数値、どう捉えれば良いのでしょうか?
武本クリニック 武本祐 院長
「やはり、実際に麻疹ウイルスに感染している方への接触、診察、看護、このあたりが懸念されますので、医療従事者に関しては厳しめの設定になっていると捉えています。よって我々のような医療従事者ですと、今回の値であれば、追加の1回のワクチン接種を検討事項になるかと思います」
この数値は、あくまでも医療従事者向けの目安ということですが、ワクチンの追加接種についてはどのように検討すべきなのでしょうか。
武本クリニック 武本祐 院長
「なかなか難しい問題だと思うんですけど、やはり基礎疾患や今後海外へ行く予定があるか、海外といっても麻疹の流行地域なのかなど、そのあたりを考えるべきだと思います」
追加接種については、かかりつけ医や検査を受けた医療機関の医師と相談してほしいということです。