銃猟初登録に2万円補助 栃木県、新年度から 獣害減へ狩猟参入後押し

 狩猟者数の増加に向け栃木県は2024年度、「第1種銃猟(ライフル、散弾銃)」の初登録を行った県民に、2万円を補助する制度を開始する。野生動物の出没による林業などへの被害が増える中、狩猟者の経済的負担を減らすことで登録者を増やし、捕獲増につなげたい考えだ。

 県自然環境課によると、県内狩猟者登録数は1976年度の1万7659人をピークに減少傾向にあり、2022年度は3273人とピーク時の2割以下になっている。

 免許所持者は、都道府県に登録しなければ野生動物を捕獲できない。第1種銃猟免許の登録は毎年2万円近くかかり、狩猟を初めて行うには猟銃購入費や保険料などを含め25万円以上が必要という。

 経済的負担から免許を取っても登録しないケースが多く、第1種銃猟免許を所持する県民が1903人(22年度)いるのに対し、登録数は1386人と7割にとどまっている。

 一方、22年度のシカによる林業被害額は1億200万円と7年ぶりに1億円を超えた。県はニホンジカ管理計画(24~29年度)で、年間捕獲目標をこれまでの8千頭から1.4倍の1万1500頭に引き上げ、捕獲対策を強化する。

 新設の補助制度は県内在住者が対象で、24年度当初予算に60人分の助成費用として120万円を計上した。補助金は市町の助成制度とは別に受け取れる。同課の担当者は「補助金を通して多くの狩猟者の参入を促したい」と話している。

 また県は24年度、狩猟者登録を行った銃猟とわな猟の経験が浅いハンターを対象に新たに技術向上研修を行う。猟友会の協力を得て秋以降に複数回実施する予定で、ベテランが射撃や狩猟のノウハウを実践形式で教える。

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