運転手不足に加え「2024年問題」の影響も…路線バス、4月1日からダイヤ改正 残業規制に対応、路線廃止や減便進める 鹿児島県内

路線バスのダイヤ改正後の時刻表を撮影する利用客=29日、鹿児島市中央町

 鹿児島交通(鹿児島市)と南国交通(同市)は4月1日、路線バスのダイヤを改正する。両社ともに慢性的な運転手不足に加えて、時間外労働(残業)が制限される「2024年問題」に対応するため、路線廃止や減便を進める。

 鹿児島交通は、平日1379便から62減の1317便。路線によっては便数を増やしたところもあるが、土日祝合わせて約5%の減となった。

 南国交通は3月から運転手不足を理由に、鹿児島市内を走る路線バスを約1割強減らした特別ダイヤで運行していた。4月の改正では特別ダイヤ前の平日653便から17%減。土曜日は560便から19%減。日祝455本から28%減。その結果、3月の特別ダイヤよりさらに減る。

 鹿児島交通は「鹿児島駅-花野三文字」や「鹿屋-市役所-志布志駅」など10系統、南国交通は「吉野循環」と「常盤-鹿児島中央駅-玉龍高校前」の2系統を廃止する。同じ区間を走る別系統で補うなどして対応する。南国交通の場合、常盤の停留所が廃止となるため、最寄りの西田小学校前の利用を呼びかける。

 両社ともに運転手不足を悩みに抱える。南国交通では直近10年間で約80人減った。「運転手不足に伴い、安全運行が可能な便数に変更した」と担当者。

 加えて4月からの残業規制で、終業から始業までに最低9時間の休息期間が必要となり、最終便の繰り上げが目立つ。「通勤や通学利用の多い朝の便を手厚くするには、最終便を繰り上げないと不便が生じる」(鹿児島交通)と理解を求めた。

 鹿児島市交通局は、当面のダイヤ改正は予定していない。

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