従業員「やっぱりありがたい」休みか?給与か?働き方の選択肢増やす「週休3日制」は広がるのか 

愛知県日進市では、1週間で決められた勤務時間を維持すれば、出勤や退勤時間をずらせる制度をつくりました。

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さらに勤務しなくてもよい日を1日設け、「週休3日」を実現するというのです。週休3日制、まだまだ耳慣れない働き方ですが、世の中への広がりはどうでしょうか。

浜松市で開かれた合同企業説明会で、企業側に週休3日制の導入や検討について聞いてみました。

<小売販売業採用担当>
「そこまでは考えていません。週休3日制に(休みを)増やすということはイコールその間働く人材も確保しないといけない」

<製造業役員>
「(休みを増やすよりも)多く働くから所得をたくさんにしてほしいといったニーズの方が高いと思っている」

一方、就職活動中の学生は好意的な反応でした。

<大学生>
「(週休3日制が)あるっていうと、結構しっかりしているところだったりするのかな」
「選べるっていう選択肢の一つとしてあるのはいいことだと思います」

では、静岡県内で導入している企業はあるのでしょうか。浜松市の遠鉄自動車学校では、2023年6月からすべての社員が週休3日の勤務を選べるようになりました。すでに男女5人の従業員が週休3日で働いています。

教習指導員の中津川なつ恵さんも、週休3日制を選んだ1人です。勤務表を見せてもらうと…。

<遠鉄自動車学校 中津川なつ恵さん>
「休みが、1週間に3回ずつ入ってくるような感じ」

遠鉄自動車学校の場合、社員は基本、状況に応じて休みの数が変わり、年間休日は105日です。一方、週休3日の社員になると、休みの数はほぼ一定で、年間の休みは156日になります。

1日あたりの勤務時間は7~10時間と変わりませんが、年間の勤務時間は15%少なくその分、給与も減る仕組みです。ただ、何度利用しても、昇給で不利になることはありません。

中津川さんは20代で、遠鉄自動車学校に入社。一度、出産で退職しましたが、パートとして復職し、朝から夕方まで週休2日で働いていました。

<遠鉄自動車学校 中津川なつ恵さん>
「休みの日は(病院や銀行などの用事が)子どもの参観会とかで集中するというか、余裕がなくなる。あっちにもこっちにも行って、かえって疲れる日になっちゃう」

2023年、会社が週休3日制を取り入れたことから、再び、社員になりました。

<遠鉄自動車学校 中津川なつ恵さん>
「正社員になれるのが、まだ先だろうと思っていたので、でもやれそうだなという勤務の態勢ができたのは、やっぱりありがたい」

休みが増加したことで、子どもとの時間が増えたといいます。

<中津川さんの息子 蓮くん>
Qお母さんが週休3日になってどう?
「余裕を持ってゆっくり話せるのがいいです。学校の話とか、サッカーの話とかします」

では、遠鉄自動車学校はなぜ、週休3日制を取り入れたのでしょうか。

<遠鉄自動車学校 榎谷達明所長>
「若い方の採用がだんだん増えていて、そのニーズに対応するためにも取り入れた。残業をやりたい方も、所定で帰りたい方も、休みが多い方も、いろんな方がいますので、それに合わせることが、いまのスタッフのための気持ちを大切にしていることが大切かなと思います」

<遠鉄自動車学校 中津川なつ恵さん>
「教習生一人一人に、リフレッシュした後のフレッシュな気持ちで、疲れを残した後の教習でなく、明るい気持ちで教習していきたいなと」

週休3日制は、ユニクロやパナソニックなどの大手企業をはじめ、静岡県内では、人手不足に悩む薬局や介護施設が取り入れていますが、自治体ではまだまだこれからです。

企業などに週休3日制導入の支援をしている「株式会社週休3日」の永井宏明社長は、「自ら家事育児に参画している若い経営者は、働き方の選択肢を増やすことに理解があり、導入する企業は自然に増えるだろう」と話しています。

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