カギは「水のジャッジ」 古江彩佳は首位と7差から3差に詰めて最終日

強風下で5つスコアを伸ばした古江彩佳(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇フォード選手権 presented by KCC 3日目(30日)◇セヴィールG&CC (アリゾナ州)◇6734yd(パー72)

平均で風速10m/s以上の風が吹き荒れたムービングデーは、「練習したことがない」一打で持ちこたえた。古江彩佳の前半5番(パー5)の3打目はグリーン左のバンカーの縁から。左ひざを折って芝の上に正座するように腰を下ろし、右足は伸ばして砂の中に。クラブを懸命に振ってグリーンエッジまで球をかき出すと、4打目をウェッジで寄せてパーを拾った。

6バーディ、1ボギーの「67」のスコアを作るには「大きいと思う」トリックショットだった。「バーディ、イーグルホールだと思うので、ボギーにはできないと思いながら。うまくパーセーブできて良かったです」。4番(パー3)で12mのバーディパットを沈めた勢いを緩めず、後半10番でも10m近いバーディパットを沈めるなどパットも冴えわたった。

7ホールでパーオンに失敗しながら、スコアを落としたのは直前に向かい風が吹き、グリーン手前に2打目を外した11番だけだった。「1つのボギーは悔しいですけど、ほぼパーセーブできて良い流れでできた」。45位から通算12アンダーの16位に浮上。7打差あった首位との差を3ストロークに縮めて残り18ホールを迎えられる。

16位だが首位とは3打差(撮影/田辺安啓(JJ))

今季すでに4回のトップ10入り。2年ぶりのタイトルに手が届きそうな試合を続けている。「(順位を)上げられたので(自分で)評価したいと思っています。ただ、皆のスコアも少しずつ上がってきている。一歩上を行かないといけない」

風の土曜日の次は、寒さと雨の日曜日が待つ。この日、28℃まで上がった気温は最終日、最高で17℃の予報。降水確率も75%と高い。「水のジャッジをうまくして行けたらなと思います」。ボールや芝に付着する水滴の扱いにも頭を働かせる。(アリゾナ州ギルバート/桂川洋一)

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