花見日和 笑顔は“満開” 長崎市内の名所にぎわう イベントも

見頃を迎えた桜の下で会話を楽しむ花見客=長崎市、立山公園

 桜の開花宣言から間もない週末の30日、長崎市内の花見スポットはにぎわった。つぼみがまだ目立っても、集まった人々の笑顔は“満開”だった。
 この日、市内の最高気温は21.6度。黄砂混じりの花曇りだったが、立山5丁目の立山公園は八分咲きでお花見日和。屋台が軒を連ね、レジャーシートを広げる団体客も多かった。
 「カンパーイ」。会社の部下や家族ら約20人で訪れた増子裕之さん(47)は缶ビールでのどを潤した。新型コロナウイルス感染症が5類に移行して初のシーズンとあって「5年ぶりに大人数で花見ができた。開花が遅れたおかげで年度終わりに集まれた。最高のタイミングだ」と破顔した。
 4月から近くの県立長崎東中に通う緒方寛太さん(12)は真新しい制服に袖を通し、桜の木の下で家族と記念撮影。「英語を頑張りたい」と目標を語る息子を、父耕平さん(40)は「まずは環境に慣れて、寝坊せずに楽しく通ってくれたら」と優しく見守った。
 風頭公園では桜まつりが開かれ、音楽イベントを楽しむ人もいた。地元関係者によると、前日から一気に咲き始め、六分ほどに。予想より開花が遅れた分、ぼんぼりなどの装飾を4月7日まで延長する。
 市内に単身赴任中の緒方寧(やすし)さん(56)は、福岡県から駆け付けた妻裕子さん(61)と散歩。来週末の雨予報を踏まえ来崎を一週間早めた。「こんなに咲いていると思わなかった」と喜んだ。
 橋口町の在長崎中国総領事館では、恒例の観桜会があり、地域住民や各界関係者ら約400人が招待された。交流を深めるため、初めて円卓を囲む立食形式を採用。張大興総領事は「長崎と中国の友好は当館の桜のように根強くて繁茂している」とあいさつ。二胡(にこ)の演奏や変面ショーもあった。

招待客の前であいさつする張総領事=在長崎中国総領事館

© 株式会社長崎新聞社