名物アイランドグリーンが暴風で難度アップ 畑岡奈紗「ドローで打てば…」

縦幅40yd弱、横幅も広いアイランドグリーン(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国女子◇フォード選手権 presented by KCC 3日目(30日)◇セヴィールG&CC (アリゾナ州)◇6734yd(パー72)

今大会で初めてツアー競技をホストしたセヴィールG&CCのシグニチャーホールは17番(パー3)だという。奥の通路を除き、周辺はすべてが池に囲まれている“アイランドグリーン”。最高瞬間風速16m/sの暴風が吹いたムービングデーに突如、選手たちに牙をむいた。

通常の距離設定は145ydと短く、グリーンには縦幅40yd弱、横幅も20yd以上の広さがある。左右それぞれ5yd以上のラフがあることを加味すれば、池ポチャを避けることは決して難しくない。初日の難度は9番目(平均スコア2.924)、2日目は7番目(2.993)。2日間トータルでは4つあるパー3のうち最も易しかった。

17番グリーンに向かう畑岡奈紗。3日目はボギーを叩いた(撮影/田辺安啓(JJ))

そこへ来て、3日目の平均は「3.200」で18ホール中2番目に難しくなった。10位から出た畑岡奈紗はこの日、5バーディ、3ボギーの「70」で通算12アンダー。首位とは3打差で耐えたが、混戦で16位に後退した。16番で5つ目のバーディを奪った直後、17番でボギーを叩いた。

アイアンでのティショットが左からの向かい風にあおられ、右の薄いラフへ。「ちょっと打ち出しが狙いよりも右に出てしまった。やっぱりちょっとドロー系で打てばよかった。真っすぐ行ったぶん、大きく流されてしまった」。ウェッジでのアプローチを2m以上オーバーさせ、パーパットを外した。

通算9アンダー35位の勝みなみは第1打を右サイドのバンカーに入れてボギー。「8Iでフェースが開いて打ってしまった」。周囲に風を遮る木々がないため、グリーン上ではパッティングのアドレスにも時間がかかる。パーを拾った古江彩佳も「タイミング次第ですごい風が吹くので、打つタイミングもジャッジしながら。すごく難しかった」と息を吐いた。

強風による砂ぼこりで幻想的に…(撮影/田辺安啓(JJ))

首位に1打差の14アンダー4位で終えた笹生優花は、第1打が右サイドのバンカーにつかまった。「オーマイガー…」と肩を落とした後、最悪の“目玉”のライからピンそば1mにつけてパーセーブ。緊張感マックスの最終日は左奥にカップが切られる予定になっている。(アリゾナ州ギルバート/桂川洋一)

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