早大生・中野麟太朗はアマチュアV逃す「終わっちゃったな…」

ツアー初のトップ10入りとなる4位(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 最終日(31日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)◇曇り(観衆4078人)

「終わっちゃったな…」。通算18アンダー4位に入った中野麟太朗(早大)は名残惜しそうにつぶやきを漏らした。初日にアマチュアのツアー最少スコアに並ぶ「61」をマークし、2日目まで首位。組み替えなしの決勝ラウンド36ホールを最終組でプレーした。ツアー初のトップ10入りでも、本当に欲しかったのは史上8人目のアマ優勝だ。

3打差5位に後退した朝の第3ラウンド17番(パー5)で悔やまれるプレーがあった。左ラフから2オンに成功した後、ファーストパットのイーグルトライが4m近くオーバーした。「イメージ的にはいい感じかなと思ったら、ちょっと行った時に『ヤバい!』と。ピンに当たれと思ったけど…。あんなに行っちゃったら、返しは入らないですね」

パッティングの“決定力”にプロとの差を感じた(撮影/中野義昌)

バーディパットが惜しくも外れるシーンは多かったが、タッチは合っていた印象だけに珍しいミスといえた。「あれはもう、普通に実力なんじゃないかと思います。“あれ”が出ちゃったこと、それが自分の実力だと」。痛恨のプレーを潔く受け止めた上で「それも含めて、そういう流れづくりが下手でしたね。そういうのをつかんでいった金谷さんって、すごいな…」。初日2位だった昨年「フジサンケイクラシック」でも優勝したのは金谷拓実だった。改めて、国内トップレベルの力を見せつけられた。

優勝争いの中で競り合っていけるパッティングの決定力、メンタル、経験…。実際にその状況で戦ったからこそ、差を感じることができる。「やっぱり経験しないと分からないものが、プロのツアーは多いです。優勝は、本当にすごいんだろうな…」。少し近づいたことで、憧れはより強くなった。

アマでのレギュラーツアー優勝とともに掲げる10月「アジアパシフィックアマチュア選手権」(静岡・太平洋C御殿場コース)での優勝、団体戦でのチーム日本一に向けて戦いは続く。「これを糧に、またツアーに出られる時は成長した自分を見せられるように頑張りたい」と顔を上げた。(三重県桑名市/亀山泰宏)

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