地震へ「万全の備えを」 竹内富山大名誉教授が講演、ハザードマップ有効

能登半島地震発生のメカニズムについて解説する竹内名誉教授=富山市科学博物館

 地震地質学を専門とする富山大の竹内章名誉教授が31日、富山市科学博物館(同市西中野町)で能登半島地震をテーマに講演した。「富山でも過去に多くの地震があった。歴史を忘れず、万全の備えをしてほしい」と呼びかけた。

 竹内名誉教授は能登半島地震発生のメカニズムについて「半島沖の海底沿いにある活断層が約150キロ連動した」と解説。2011年の東日本大震災の「後遺症」で起きたとも分析した。

 ハザードマップの有効性も説明。「(災害発生時は)だいたいマップの通りになっている。津波だけでなく、洪水や土砂災害など全種類に目を通してほしい」と注意喚起した。

 講演会は防災知識を深めてもらおうと同館が地震後初めて開き、約50人が参加した。高岡市の60代女性は「自分の家の周りにも断層が多くあって驚いた。地震のことを知るのも防災になる」と話した。

 同館では、能登半島地震に関連したロビー展として、身の回りで起きた被害を来館者に書いてもらった「報告カード」を並べている。7月15日まで。

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