健大高崎センバツ初優勝 斎藤(福島県二本松市出身)決勝点演出 1番打者躍動

 高崎健康福祉大高崎の群馬県勢初優勝で幕を閉じた第96回選抜高校野球大会(センバツ)。31日の報徳学園(兵庫)との決勝で三回に三塁打を放ち、決勝点となるホームを踏んだのは福島県二本松市出身の1番・右翼手斎藤銀乃助(3年)だ。学法石川との1回戦から5戦連続でフル出場し、計5安打を記録。強力打線のリードオフマンとして快進撃の一翼を担い、春の聖地で躍動した。

 2―2の三回無死。斎藤は先頭で打席に立つと、右翼線に鋭い一打を放った。俊足を生かし三塁に到達すると、両腕を突き上げてナインを鼓舞した。一死後に3番高山裕次郎(同)の右前打で生還した。以降は双方譲らず、勝ち越し点がそのまま決勝点に。同点三塁打を放った30日の星稜(石川)との準決勝に続いて大舞台で勝負強さを発揮した。試合後は「先発した石垣(元気)を楽に投げさせたかった。打って点を取るのが自分たちの本来の野球。決勝の舞台で出せてうれしい」と語った。

 二本松北小3年時に友人に誘われ、二本松ソフトボールスポ少に入団した。6年時は主将を務め、全国大会も経験。二本松一中に進むと郡山ボーイズで硬式野球に挑戦した。中学時代に指導した郡山ボーイズの監督大河原裕勝さん(57)は教え子の雄姿を見ようと甲子園にかけつけた。「1番打者としてチームを勢いづけた」と全試合安打の活躍を称賛し、「甲子園でプレーしたいと常に言っていた」と感慨に浸った。

 健大高崎のコーチ赤堀佳敬さん(31)は前任の盛岡大付で郡山ボーイズの卒団生を指導した。2019年に健大高崎に移った後も郡山ボーイズに注目し、上位打線を打っていた斎藤に声をかけた。斎藤は充実した練習環境に引かれ、隣県の強豪の門をたたいた。

 父雅治さん(50)は部の写真係を担いながら一塁側アルプススタンドで勝利を見届けた。「優勝するとは思っていなかった。まずはお疲れ様と伝えたい」と祝福。「高い志を持つチームメイトと一緒に頑張ってきた成果だ」と誇らしげだった。

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