パンダのタンタン死ぬ、国内最高齢の28歳 人間なら100歳相当 2日から献花台設置 神戸・王子動物園

愛らしい表情を見せるパンダのタンタン=2023年9月16日、神戸市立王子動物園

 神戸市立王子動物園(同市灘区)は1日、飼育していたジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」(雌、28歳)が死んだと発表した。人間では100歳近くに相当し、国内最高齢だった。2020年に中国からの借り受け契約がいったん満了したが、新型コロナウイルス禍や、21年に見つかった心疾患の影響で返還が延期に。阪神・淡路大震災の5年後から24年近くを過ごした神戸で最期を迎えた。

 3月31日深夜、心肺停止となり心臓マッサージなどの蘇生処置をしたが、同日午後11時56分に死んだことが確認された。心疾患に起因する衰弱死とみられ、詳しい死因は今後調査する。

 タンタンは00年7月、日中共同繁殖飼育研究を目的に雄の初代「コウコウ(興興)」と来園。震災で被災した市民を元気づける存在となり、多くのファンに愛された。02年に来園した2代目コウコウとの人工授精に2度成功したが最初は死産で、08年に産んだ赤ちゃんも3日後に死んだ。10年にコウコウが死に、園唯一のパンダとなっていた。

 20年7月で契約が満了し中国・四川省に返還予定だったが、コロナ禍で輸送予定が立たず、21年4月には心疾患が判明。22年3月からは体調を考慮し一般公開が中止された。園によると、3月中旬から病状が悪化し、口からの栄養補給ができない状態となっていた。

 園は2日から当面、パンダ館に献花台を設置。お別れの会も検討する。中国には新たなパンダの借り受けを求める方針。国内のパンダは上野動物園(東京)とアドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)の計8頭となった。(金 旻革)

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