【会話術】シーン別「感じがいい」「また会いたい」と思われる会話のヒント|コミュニケーションのプロがアドバイス

【感じがいい】【魅力的】【また会いたい】と思われるためには、どのようなコツがあるのでしょうか。簡単に実践できて、楽しく豊かな人間関係が築ける「会話のヒント」を、コミュニケーション・インストラクターの杉山美奈子さんに教わりました。

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【初対面の自己紹介】での会話のヒント

自己紹介は無難でOK! 丁寧さを心がけて

好印象を与える自己紹介とは?

「まず笑顔でその場にいる全員を見ましょう。アイコンタクトですね。初めと終わりには首を傾ける程度でいいのでおじぎを。

名前はゆっくりとフルネームで言いますが、名字と下の名前を少し区切って言うと相手にわかりやすいですね。

名前のあとは、自分についてのひと言を加えます。自己紹介であまり多くのことを話すと相手が引いてしまうことも。ひと言でOKです」

添えるひと言は周りの雰囲気に合わせて

簡単なひと言とは、どのような内容がいいのか。

「趣味や、最近、夢中になっていることがあれば『野菜作りが趣味でベランダ菜園をやっています』などと添えてもいいですね。思いつかなければ、その場に来ることになったきっかけや、『今日は皆さまとご一緒できて嬉しいです』といったひと言でも。

また、他の人の自己紹介を受けて『〇〇さんが、食べ歩きが趣味とおっしゃっていましたが、私はおいしいパン屋さんを探して買いに行くのが趣味です』と続けてもいいと思います」

自己紹介の際に使えるフレーズ

「健康のためにウォーキングを始めようかなと思っています」

「おいしいパン屋さんを探すのが趣味です」

「絵が好きなので、国内の美術館巡りをします」

自己紹介の際に避けたいフレーズ

△「パンが好きで、必ず手作りしています」
△「海外旅行が趣味で昨年は3回行きました」

「必ず手作り」と言うと、市販のパンを否定しているようにとらえられることも。無難な内容で、その場にいる人が興味をもってくれる、会話が広がるようなひと言がベター。

【2度目以降のあいさつ】のヒント

名前を呼んだり、前回の話題を繰り返したりする

名前を口にしてもらうと、距離が近くなったように思えることも。

「あいさつも『こんにちは』だけでなく名前を呼ぶと、あなたに関心があります、あなたのことを覚えています、という気持ちが伝わります。

また、『この前、〇〇さんが教えてくれたお店、行きました! おいしいですね』『旅行に行くとおっしゃってましたが、いかがでしたか?』など、前回の話題や出来事を、あいさつに加えるのもおすすめです」

2度目以降のあいさつで使えるフレーズ

「この間教えていただいた本、読んでみました」

「この間も素敵なブローチをされていましたよね」

前回の話題をもち出したり、あいさつのときに「今日も素敵ね」など、身につけているものをほめるのは◎。ただ、複数の集まりのときは注意が必要。ひとりだけほめるのは避ける。

【誘いたいとき】の会話のヒント

相手の負担にならず、断る余地を残す誘い方を

もう少しおしゃべりしたいというとき、イベントなどに誘いたいとき、上手に誘うには?

「このあとお茶でもというときは、『よかったら』と、さりげない感じで誘うといいですね。『30分くらい』のように具体的な時間を入れるのもポイントです。短い時間ならOK、ということもあるので。

イベントなどに誘うときは『断ってもらっていいのよ』と先に言うと、相手の負担になりません」

誘いたいときに使えるフレーズ

「よかったら、このあと30分くらいお茶しませんか?」

「近くに素敵なカフェがあるので、よかったら寄っていきませんか」

「好みがあるから断ってくれていいんだけど、お知らせだけさせてね」

「いつか一緒に行けたら楽しそうですね」

誘うときに「よかったら」は便利な言葉。年上の人であれば「よろしければ」に。イベントなども「ちょっとお知らせ」などと、ついでの感じで誘うと相手の負担にならない。「いつか一緒に」と言えば、相手の反応を見ることができる。

次につながる、好かれる【断り方】のルール

断るときは「お誘いありがとう。でも残念! 動かせない予定があるので、また次に」と、お礼、断る理由、次につなげる言葉の順で。

行けない可能性が80%以上であれば、その場で断るのが礼儀。なんとかなりそうなときは「明日までに確認して連絡しますね」などと、短く期限を切って必ず返事を。

「行きたい」とだけ言って保留にするのは、相手に迷惑をかけるのでNG。

【そろそろ帰りたいとき】の会話のヒント

自分が話をしたあとに、帰りたい旨を切り出す

話が盛り上がっていると、なかなか切り出すのが難しいが……。

「『お時間大丈夫ですか?』と尋ねたり、『予定が入ってしまったので』と理由を言って切り出したりする方法もあります。帰るきっかけの言葉は、自分が話したあとにするのも大事です。人が話し終わったあとだと、終わるのを待っていたように感じてしまうかもしれませんから」

化粧室に立ち、戻ってきたときに切り出すのも自然な感じに。

そろそろ帰りたいときに使えるフレーズ

「次はまた来月お会いできますね」

「お時間大丈夫ですか」

「名残り惜しいですが、そろそろ……」

「お時間大丈夫ですか?」には、「まだゆっくりできますか」ではなく、「そろそろ帰りましょうか」という意味も。「まだ大丈夫」と答えて、相手をがっかりさせないように。

【別れぎわのひと言】のヒント

楽しかった気持ちを優しい口調で伝えて

「別れぎわには、『楽しくて時間を忘れました』『次回も楽しみです』など、楽しかった、また会いたい、という気持ちを伝えるひと言を。笑顔と優しい口調で伝えれば、相手も『また会いたいな』と思ってくれます」

介護中の人や悩みを抱えている人には「いつでも声をかけてね」「私でよければ話を聞かせてね」といった思いやりのひと言を。話を聞いてくれた人には「あなたに話せてよかった」と感謝を。

別れぎわのひと言として使えるフレーズ

「今日は時間があっという間でした」

「あなたと話せてよかった。元気が出たわ」

「次に会うときまで、お互い元気でいようね」

「またこの続きを話しましょう」

「また素敵なお店を探しておくね」

別れぎわのひと言は印象に残るので、相手の気持ちが明るくなるような言葉を。「次は3カ月後に」「今度は〇〇(お店など)で」など、具体的なひと言も次の楽しみにつながる。

※この記事は「ゆうゆう」2021年8月号増刊(主婦の友社)の記事を、WEB用に再編集したものです。

※2023年10月31日に配信した記事を再編集しています。


監修者
コミュニケーション・ インストラクター 杉山美奈子

すぎやま・みなこ●コミュニケーション・ インストラクター、キャリアカウンセラー。文筆業の他、大学などで話し方や聞き方など、コミュニケーション法を教える仕事も。ベストセラーの『暮らしの絵本 話し方のマナーとコツ』(学研プラス) をはじめ、気持ちの伝え方に関する著書・監修書多数。

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