「頼もしい自衛官になりたい」新生活がスタート 涙と笑顔の旅立ちと別れ 広島空港に密着

新生活が始まる季節です。広島空港には、それぞれの希望を胸に新天地へと旅立つ人…。そして、その姿を見送る家族がいました。

春休み、広島空港は多くの利用客でにぎわっていました。

千葉の実家に帰省する家族
父親「飛行機乗る人?」 子ども「はーい! じい、ばあば」
母親「千葉の実家に行きます」

帰省していた大学生
「きょうは春休みの帰省から東京の方に帰ります。しまなみ街道の方とかドライブに行ったりして、のんびり過ごしました」

春は、旅立ちの季節。ことしも広島から多くの人が羽ばたいていきます。

Q.今からどこへ?
春から社会人
「横浜です。就職です。税理士事務所で働きます。健康にがんばりたいです」

祖母
「東京に行ってしまうのはさみしい」

大学進学で東京に行く孫
「長生きしてほしいなと思います」

祖母
「まさか、こんな日が来るとは…」

広島空港で2日間取材をすると、出発ロビーでは家族や恋人との別れがありました。春から東京の大学へ進学するという 髙田絢介 さん。

髙田絢介 さん(18)
「早稲田大学に行きます。情報システムエンジニアを目指そうかなと思っています。生まれた時からここ広島なので、そのうち離れるっていうこと自体がちょっとさみしいですけど…。ちょっと楽しみの方が今は強い感じですね」

18年間ずっと側で見守ってくれたお母さんに今、伝えたいことは…

早稲田大に進学 高田絢介 さん(18)
「この18年間、ここまで育ててくれてありがとうございますっていうことと、これからも正直、不安な部分があるので、けっこう頼っちゃうかもしれないんですけど、そこのところ、お願いしますというところですね」

少し照れながら、息子から母へ感謝の気持ちを伝えました。

母親
「がんばりすぎず、体調管理をしっかりしてがんばってもらいたいなと思います」

別れを惜しむ親子の姿も…

フィジーへ短期留学する高校生
「フィジーに行きます。語学留学をしに行くんですけど、ちょうど自分が高校2年生で進路を決めなければいけない大事な時期なので」

一度しかない、ことしの春。フィジーへの短期留学を決めました。

フィジーへ短期留学する高校生
「本当に人生探しでってことで…。楽しみなことは本当に会話することですね、コミュニケーションで」

娘の成長を見守ってきたお母さんは娘との別れに涙し…


「こんなに長い間、別れるってことがなかったので、楽しんできてもらえたらと思います」

気をつけて、いってらっしゃい!

26年間で初めて離れる広島… 春から就職で関東へ

新社会人の 田丸彩夏 さんは広島大学大学院を卒業し、化学メーカーに就職するため、26年間暮らした広島を初めて離れます。

新社会人 田丸彩夏 さん(26)
「まだあんまり実感がないです。でも、わくわくの方が高いです」

新生活に期待する一方で、ある ”不安” が…

新社会人 田丸彩夏さん(26)
「電車通学したことがないので、通勤で電車を使うのが緊張します」

きょうはおばあちゃんが見送りに来てくれました。空港で最後に一緒に食べたのは…

田丸彩夏 さん
「せっかくだから広島のお好み焼きを食べました」

慣れ親しんだグルメもさみしくなります。

中国から2年前に来日、広島大学大学院で経営を学び、4月からは埼玉県にある運輸系の会社に就職する男性も…

中国出身 呂古月 さん
「仕事の関係で埼玉に行きます」

Q.広島はどんなところだった?
「そうですね、広島は広い島というんですけど、あんまり広くない街でちょっと小さくて静かな街でした。一番好きな場所は宮島です。シカもかわいくて、奈良のシカより、やっぱり広島のシカはおとなしくて、かわいいと思います」

2年間住んだ広島が大好きになりました。

中国出身 呂古月さ ん
「広島だったら、もみじまんじゅうですよ。甘くておいしいですよ」

― しばらく食べられなくなりますね…
「悲しい…。そんな悲しいこと言わないでください」

― ごめんなさい…

うれしくも、さみしくもある、新たな門出です。

「頼もしい自衛官になりたい」1200キロ離れた北海道へ…

広島県安芸高田市出身の 中元陸人 さんは、広島から北海道の東千歳駐屯地へ旅立ちます。高校卒業後の進路に悩んでいたそうですが、戦車が好きで、陸上自衛官を目指すことを決めたといいます。

中元陸人 さん(18)
「自衛隊に就職になったので北海道に行きます。見た人に頼もしいと思ってもらえる自衛官になりたいと思っています。なるべく帰ってくるので、さみしがらずに待っとってください。行ってきます!」

陸人さんは6人家族。家族全員が見送りに来ました。

陸人さんの父
「初の長男が就職なので、次、会えるのが楽しみな半分、別れるのが悲しい半分。自分のやりたいことをやりきってほしいですね」

陸人さんには一つ年下の弟がいます。

弟 悠斗さん(17)
「1人の兄としてめいっぱいけんかもしてきたけど…。相談事だったり兄妹で悩んだりしたときに勉強とかもたまにだったけど、本当にたまにだったけど、それでもありがたかった」

これから兄の陸斗さんに待ち受けているのは厳しい訓練です。

弟 悠斗さん(17)
Q.兄は訓練だいじょうぶ?
「やるときはやるやつなので、そんなに自分は不安になっていません。だいじょうぶだとは思っています。」

「陸人くん、がんばって! がんばってー!」

涙と笑顔であふれた旅立ちの日。広島から羽ばたいたみなさんにどんな未来が待っているのでしょうか…。いってらっしゃい!

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