鰹節製造の歩み知って 四倉諏訪神社で石碑移転 のぼり4体を掲揚

「改良鰹節之碑」の移設に合わせて行われた奉告祭

 福島県いわき市四倉町の四倉諏訪神社境内にある「改良鰹(かつお)節之碑」が約30メートルほど南側に移され、3月31日に現地で奉告祭が行われた。石碑は1909(明治42)年の建立で、鰹節製造の技術改良に取り組んだ四倉町の伝習所の様子を記している。境内の参拝者の目に留まりやすい場所に移され、神社関係者は「神社を訪れる人に、カツオ漁や鰹節作りが盛んだった四倉町の歴史に触れてほしい」と話している。

 石碑は縦約2.5メートル、横約60センチで、有志によって建てられた。石碑に記された内容によると、1902(明治35)年に四倉町に漁業家が計画して改良鰹節伝習所が設けられた。静岡県焼津市の鰹節改良製造練習所などで教えていた今村長吉が招かれ、伝習所の練習生に鰹節作りの改良を指導した。その後、四倉の鰹節は市場でも一等品と評価されるまでになった。

 毎年、神社はこいのぼりならぬ「カツオのぼり」を境内のポールに掲揚している。石碑はポールの近くに移設された。奉告祭では神事で鈴木宣之宮司、長谷川清一総代長が玉串をささげた。

 奉告祭に続き、カツオのぼり4体を掲揚した。5月末まで掲揚する予定で、鈴木宮司は「参拝者はカツオのぼりを楽しむとともに、石碑を通じて地域の歴史にも理解を深めてほしい」と話している。

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