鹿沼・千手山公園にある市独自の「標本木」 観光協会が開花宣言 人気映画のロケ地に桜300本

標本木の下で開花を宣言する佐藤市長(右)と福田会長

 【鹿沼】千手山公園の桜をPRしようと、市観光協会は1日、同協会として独自に指定する「標本木」の開花宣言を現地で初めて行った。気象庁の許可を得ており全国的に珍しい試み。

 同公園は1948年、市制施行の記念事業で市が整備し、市観光協会が指定管理者となっている。約2万7千平方メートルの園内にソメイヨシノやヤマザクラ、シダレザクラなど約300本があり、毎春多くの観光客でにぎわう。2007年公開の人気映画「恋空」のロケ地としても知られる。

 気象庁が各地の桜開花を観測する標本木とは別で、同協会独自に企画した。同公園のPRが狙い。日照などの理由で、園内中央にある遊具「おとぎ電車」南側の樹齢60年超のソメイヨシノを選んだ。

 1日正午、同協会職員が双眼鏡で5輪以上の開花を確認。佐藤信(さとうしん)市長がメガホンで「本日正午の観測をもって千手山の桜の開花を宣言します」と園内に呼びかけた。標本木の指定を発案した同協会の福田義一(ふくだよしかず)会長は「千手山の桜は鹿沼の桜の代表格ともいえる。公園を訪れるきっかけになればうれしい」と語った。

 桜は週末にかけて見頃を迎える見込み。7日まで「さくら祭り」を開催し、出店や夜間のライトアップなどを楽しめる。桜の開花状況によっては期間を延長する。

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