県人口100万人割れの可能性大 4月1日時点、昨年ペースなら 74年ぶり知事「統計の事実」

  ●3月1日時点は100万2090人に  

 富山県の新田八朗知事は1日、県の総人口について「きょう(4月1日)、100万人を切るのは統計の事実」と述べ、74年ぶりに100万人割れしたとの認識を示した。県が1日発表した3月1日時点の県人口移動調査結果(推計人口)では、総人口は100万2090人(男性48万7832人、女性51万4258人)と前月から1014人減少した。転出が多い3月に昨年と同様のペースで人口減が進んでいれば、1日時点で大台を割り込んでいる可能性は大きい。

 新田知事は1日、県庁で開かれた幹部職員向けの訓示式で100万人割れに触れ、「エポックメーキング(歴史的な出来事)ではあるが、私は大騒ぎすることでもないと思っている」と強調し、社会減や自然減対策を進める考えを示した。その上で県人口の2%は外国人であることを挙げ、「ともに暮らし、ともに仕事をし、ともに学ぶ人たちとして、どのように受け入れていくか。そのあたりの話し合いを始める時期ではないかと考えている」と語った。

 富山県は、1949年12月の調査で初めて人口が100万人を超えた。1998年1月にピークの112万7千人となって以降は人口減が続き、近年は年9千人ほど減少している。昨年3月から今年2月までの1年間で9399人減った。

 昨年は3月に人口が2513人減っており、今年も同様に減少した場合、4月1日時点の人口は99万9577人となり、74年ぶりに100万人を切る。4月1日時点の調査結果は5月1日に発表される。

 3月1日時点の市町村別の人口は、射水市で7人増となったが、そのほかの14市町村で減った。減少数が最も多かったのは富山市の381人で、高岡市が187人、氷見市が89人で続いた。総世帯数は41万295世帯で前月から32世帯増えた。高岡、氷見、射水、上市、立山の各市町で増加した。

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