開幕ロースター入りした選手の「出身チーム」を探っていくと...改めて証明された“育成のドジャース”の底力<SLUGGER>

ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマン、クレイトン・カーショウに加え、今季から大谷翔平、山本由伸が加わったスター軍団ドジャース。だがその一方で、地道な育成から多くの好選手を輩出していることでも知られる。

つい先日、アメリカの専門誌『ベースボール・アメリカ(BA)』が実に興味深いデータを紹介していた。それは、2024年の開幕ロースターに名を連ねた選手たちを、ドラフトで入団したチームで分類したもの(ドミニカ共和国やベネズエラ、キューバなどドラフト対象外の国や地域の出身選手はここでは除外される)。

記事によると、開幕ロースター入りした選手のうち、全体の74.8%にあたる583人がドラフトでプロ入り。球団別で見ると、最も多く選手を輩出していたのがドジャースで、その数実に29人に上る。この中には、ウィル・スミス、ボビー・ミラー、ジェームズ・アウトマンら入団からずっと在籍している選手はもちろん、コリー・シーガー(レンジャーズ)、コディ・ベリンジャー(カブス)、ネイサン・イオバルディ(レンジャーズ)など、ドジャースを経て現在は他のチームで活躍する選手も含まれる。 よく知られているように、メジャーリーグではFAやトレードでの移籍が多く、マイナー時代にチームを移る選手も珍しくない。そのため、「ドラフトされた球団がどこなのか」を改めて遡ることで、「選手の才能を見極める力」を一定程度測ることができるのだ。

しかもドジャースは毎年好成績を残しているため、ドラフトでは高順位を確保できない。そのような状況で、これだけ多くのメジャーリーガーを輩出している事実は素直に称賛に値する。大物スター選手の獲得ばかりが目立ちがちだが、やはりこの育成力にこそ、ドジャースの「強さの秘密」が隠れていると言っても過言ではないだろう。

ちなみに、ドジャースに次ぐ2位はパドレスの28人で、カーディナルスの27人、アストロズとツインズの26人がこれに続く。逆に、最も少なかったのはナショナルズの10人だった。

構成●SLUGGER編集部

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