日光山輪王寺で強飯式 山盛り「75杯残さず食べろ」 5年ぶり一般参列も

頂戴人に山盛りの飯を食べるよう攻めたてる山伏ら=2日午前11時45分、日光市山内

 山伏が山盛りの飯を食べるよう強いる世界遺産・日光山輪王寺(日光市山内)の伝統行事「強飯(ごうはん)式」が2日、春の光の中、本堂「三仏堂」で開かれた。新型コロナウイルス禍の影響で、2020年から4年連続で法要のみとしていたが、今回は一般約100人も参列する通常開催となった。

 僧侶による法要「三天合行供(さんてんごうぎょうく)」と護摩たきに続き、「強飯頂戴(ちょうだい)の儀」を実施。6人の頂戴人が舞台に上がると、山伏たちが3升の山盛り飯や山菜を差し出し「75杯残さず食べろ」などと責め立てた。

 頂戴人や参列者は、難を逃れ福を授かるとされている。授かった福を多くの人に分け与える「縁喜がらまき」も行われた。

 菅原道信(すがわらどうしん)総務部長(57)は「一番重要な部分を開催できてうれしく思う。がらまきで、みなさんの喜ぶ姿を見ることができたのも良かった」と話していた。

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