長年タンタン見守った園関係者「元気な姿を探してしまう」 別れを惜しむファンの列途切れず 王子動物園

タンタンが過ごしたパンダ舎を訪れ、別れを告げる人たち。献花台には写真やフルーツ、手紙なども手向けられた=2日午後、神戸市灘区王子町3(撮影・大田将之)

 神戸市立王子動物園(同市灘区)のジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」(雌、28歳)が3月31日に死んだことを受けて2日、同園のパンダ舎に献花台が設けられた。別れを惜しむファンの列は閉園まで途切れることはなかった。

 「タンタンにたくさん勇気づけられた」。幼いころから園に通う会社員の江原章人さん(30)=同市灘区=は、感謝の思いを伝えるために開園と同時に献花に訪れた。「お行儀良く竹を食べている姿が忘れられない。神戸市民にとって復興のシンボルでもあった。今までほんとにありがとう」としのんだ。

 長年成長を見守ってきた園関係者も、まだ気持ちに整理が付かない。飼育員の梅元良次さん(41)は「タンタンが園にいないのが不思議な感覚。今でもふと元気な姿を探してしまう」。大量の花束や、感謝の思いをつづった幼い子どもの手紙が献花台いっぱいに並べられ、「年齢や性別を超えてみんなに愛されてきたんだな」と愛情をにじませた。(森下陽介、大高 碧)

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