福島第1原発訴訟、兵庫への避難者が控訴 国の責任否定した神戸地裁判決に不服 賠償額も「低廉」

神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 東京電力福島第1原発事故で福島、宮城県から兵庫県へ避難した30世帯78人が国と東電に計約6億7600万円の損害賠償を求めた訴訟で、原告側17世帯41人が2日、東電に対して一部原告に計約2420万円を支払うよう命じた神戸地裁判決を不服とし、大阪高裁に控訴した。

 3月21日の地裁判決では、東電の賠償責任を認めた一方で、「国が津波による事故を防ぐ措置を東電に義務付けたとしても、事故が起きていた可能性が相当にある」などとして国の責任を認めなかった。

 原告側弁護団の津久井進弁護士は地裁判決を「国の責任を否定した点や、避難者の被害実態を直視しない低廉な賠償は、到底承服しがたい」とした上で「事故は国の責任だったことを認めさせ、被ばくを避ける権利を踏まえた賠償の実現に努力する」とコメントした。

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