環境に優しい電動二輪、迫力レザー張りで 神戸レザーとカワサキモータースがコラボ パリ見本市で神戸の魅力PR

国際見本市で展示された電動二輪車「Ze-1×神戸レザー」=フランス・パリ

 神戸ビーフとなった牛の上質な皮革「神戸レザー」と、川崎重工業(兵庫県神戸市中央区)の子会社カワサキモータースの電動二輪車「Ze-1」がコラボした「Ze-1×神戸レザー」=非売品=が誕生した。今年1月、フランス・パリで開かれた世界最大級のインテリアとデザインの見本市「メゾン・エ・オブジェ・パリ」でも展示された。企画したカワサキモータースの子会社ケイテック(明石市)の若手社員らは「神戸で培われた製作技術などの新たな可能性を、二輪車に込めた」と話す。

 ケイテックの20代前半の若手社員3人が、社内副業制度を活用して企画から製作までを担当。神戸レザー協同組合(中央区)と出展した。

 デザインのテーマは、再生を意味する「RE:BORN(リボーン)」。かつては廃棄していた皮革を活用した神戸レザーと、環境にも優しいカワサキ初の電動二輪車「Ze-1」の組み合わせを通し「神戸ビーフにもう一度生命を与え、走らせたい」との思いを込めたという。

 迫力あるレザー張りの車両を後ろから見ると、レザー部分が牛の顔に見えるという遊び心も。ケイテックの社員らは「神戸の魅力をさらに世界に広げる作品になったと確信している」と手応えを語る。

■世界最高水準の安全認証取得 神戸レザー協同組合

 神戸レザー協同組合は、皮革や皮革製品分野で世界最高水準の安全認証「エコテックスレザースタンダード」を取得した。

 同認証は、350種類以上の有害化学物質を対象とする分析試験に合格した皮革製品だけに与えられる。

 同組合は2019年、神戸を中心とする商工業者などが設立。世界的な食肉ブランド「神戸ビーフ」に認定された牛の皮革の高付加価値化を目指している。21年には革素材ではじめて地域団体商標に登録された。

 同組合の片山喜市郎理事長は「世界に通用する基準の認証を得たことで、神戸レザーに対する海外の買い手の見方も変わり、問い合わせや引き合いが増えつつある」と話している。(段 貴則)

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