青森県内倒産59件、コロナ禍以降最多/23年度/

青森県企業倒産件数と負債総額

 東京商工リサーチ青森支店が2日発表した、青森県内の2023年度の倒産状況によると、負債総額1千万円以上の倒産は59件(前年度比16件増)で、コロナ禍の20年以降、最多となった。このうち、新型コロナウイルス関連は32件で全体の半分を占めた。コロナ禍の影響を引きずる企業が相当数あるほか、物価高や人手不足など複合的な要因が絡んだ。同支店は先行きについて「物価高や資材高、人手不足解消への見通しが立たず、倒産が続く可能性が高い」と警鐘を鳴らす。

 負債総額は159億8700万円(107億5400万円増)で、12年度以来11年ぶりに150億円を超えた。弘前市の食品スーパー「佐藤長」とその関連会社(負債額計69億7085万円)、タッチパネルセンサーなどを手がけていた六ケ所村のANOVA(アノヴァ)(12億2800万円)など、大型倒産が総額を押し上げた。

 産業別では、小売業と建設業が各15件で最多。製造業が10件、サービス業他7件、運輸業5件などと続いた。原因別では、販売不振が46件と約8割に上った。

 地域別では、青森市が17件で最多。県南地方では、八戸市9件、むつ市、上北郡、三戸郡各3件、三沢市、下北郡各2件だった。

 運輸、建設業は残業規制強化により人手不足が懸念される「2024年問題」への対応で、「さらなるコストアップから資金繰りが厳しくなる企業が多くなるのは明らか」と指摘する。

 同日は3月の倒産状況も公表。倒産件数4件(前年同月比増減なし)で、負債総額7億3100万円(2億2800万円減)。このうち八戸市では、貨物自動車運送業「山武運輸」が負債額1億円、タイル工事業「マズミタイル商会」が負債額9900万円だった。

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