酒、弁当、便利グッズ… 5類移行後、初の花見シーズン 景気盛り上げ、売り込み強化

サクラにまつわる商品を紹介する加藤店長=イオンスタイル高崎駅前

 群馬県内でサクラが開花し、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」となって初めての花見シーズンを迎え、小売り各社は売り込みを強化している。春を感じる酒類や気軽に楽しむ弁当、花見の便利グッズを多数そろえるなど花見商戦は熱を帯びている。

 JR高崎駅西口の高崎オーパ内のイオンスタイル高崎駅前(高崎市)では、食用の国産ヤエザクラの花が入ったロゼワイン「さくらのワイン」(500ミリリットル、1650円)、県産ウメの白加賀にオオシマザクラの葉で香りが溶け込む梅酒「桜ほの香 万上桜葉梅酒」(同、1078円)が一押し。おつまみ、菓子類、飲料など豊富な品ぞろえで店長の加藤崇さん(55)は「コロナ5類移行後、初めての花見に期待している。春に笑顔で楽しんでもらえる商品を取り扱う」と意気込む。

 桐生市創業のホットランド(東京都)が展開するたこ焼き専門店「築地銀だこ」は、TVアニメ「宇宙なんちゃら こてつくん」の描き下ろしイラストを使用した限定デザインの「お花見だんらんパック」を発売。ソース味と2種類のトッピングが選べる「贅沢(ぜいたく)だんらんパック」(24個入り、2030円)などを用意する。特製クリアファイル付きで、箱の底面のイラストを切り取って遊べる。担当者は「満開の桜をイメージしたデザインで、花見をよりにぎやかに演出できたら」と期待する。

 飲食店の蔵庄(太田市)が手がけるテイクアウト専門店「レッドベリル」(同)は花見に最適な弁当や総菜として、イカのごろっとした食感が楽しめるメンチカツとショウガご飯が入った弁当(734円)やスフレ感覚のシフォンケーキ(324円)を販売。矢内宏明取締役(53)は「花見のひと時に春の風味を楽しんでほしい」と話す。

 便利グッズでは、ホームセンターのカインズ(埼玉県本庄市)はプライベートブランド(PB)の敷物「ピクニックマット」(縦150センチ×横200センチ、2280円)を売り込む。裏面にフィルム加工が施されているため、担当者は「水がしみ込まず汚れを拭き取りやすい」と話す。花見にちょっとした食品を持って行くのに使える抗菌加工の「抗菌ダブルジッパーバッグ」シリーズ(198円)も便利品として注目されているという。

 家電量販店最大手のヤマダホールディングス(高崎市)は、サクラなど「春の風物詩」をテーマにした「第1回YAMADAフォトコンテスト」(3月23日~5月31日)を開催。ヤマダデンキLABI1ライフセレクト高崎(同市)では連動して推奨カメラの特別セールを実施している。同店のカメラ担当、飯塚啓司さん(46)は「入門者はカメラ本体に通常、望遠2種類のレンズが付いたダブルズームキットでの購入がおすすめ。遠くの花びらをズームアップすれば印象的な写真が撮れる」と強調する。

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