米英豪の潜水艦計画、台湾巡る中国の行動抑止に貢献=米国務副長官

Michael Martina David Brunnstrom

[ワシントン 3日 ロイター] - 米国のカート・キャンベル国務副長官は3日、米英豪による安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」の潜水艦プロジェクトが台湾に対する中国のいかなる動きも抑止するのに役立つ可能性があると示唆した。

AUKUSにはインド太平洋地域で台頭する中国に対抗する取り組みの一環として、オーストラリアが米英の支援で原子力潜水艦を導入する計画が盛り込まれている。ただ3カ国はこれまで、台湾を巡る緊張の高まりとAUKUSを公に結び付けることには消極的だった。

こうした中、キャンベル氏は米シンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)で、AUKUSの潜水艦は「(台湾)海峡両岸の状況を含め、さまざまなシナリオにおいて大きな影響を及ぼす」とし、「外交面に加え防衛面でも緊密に協力することで、平和と安定が強化される」と述べた。

バイデン米大統領は今月10日に国賓待遇で岸田文雄首相をワシントンに招き、2国間の首脳会談を実施予定。その翌日にはフィリピンのマルコス大統領を招き、3カ国の首脳会談を開く。

キャンベル氏はこれらの会談で、日米関係の「大規模な近代化」のほか、米国・日本・フィリピンによる南シナ海などへの関与の強化が示されると指摘。「南シナ海を含む地域で緊密な連携と関与を確約するなど、前例のない3カ国間の関与が示される」とした。

また、日米首脳会談は安全保障パートナーシップの「歴史的な」更新をもたらし、「重要な軍事・防衛装備品の共同開発、共同生産の可能性について、日米がより協力的に取り組むことを可能にする」一歩になるだろうと述べた。

ウクライナについては、ロシアが侵攻初期に後退した後、中国がロシア軍の再編成を助け、ロシア軍は「ほぼ完全に再構成された」と米政府は見なしていると語った。

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