ほんのりピンク「桜鯛」 明石の港から全国へ 水揚げ年々増加、1日に伝統漁法が解禁

水揚げされ競り落とされた桜鯛=明石市岬町

 春に水揚げの最盛期を迎えるマダイ。産卵を控えたこの時期、ほんのりとピンクに色づくことから「桜鯛(さくらだい)」とも呼ばれ、明石の港に春の訪れを告げている。

 春に魚体がピンク色に染まるのは雌だけ。明石浦漁協(兵庫県明石市岬町)ではマダイの水揚げ量は年々増加しているといい、競り落とされた桜鯛は全国へ届けられる。

 1日には明石鯛の主力漁法である「五智(ごち)網漁」が解禁された。袋状の網で魚を追い込んで引き上げる伝統的な漁法で、魚が傷つきにくく比較的きれいな状態で捕ることができるという。漁期は年末まで続く。

 マダイの旬は春と秋。越冬を控えて脂が乗っている秋の「紅葉鯛」と比べ、桜鯛の味わいはあっさりとしている。同漁協業務部主任の吉谷亮さん(36)は「刺し身、ポワレやアクアパッツァ、みそ漬けなどもおいしい」と話す。(赤松沙和)

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