鹿沼出身・洋画家松本さん 画業50年、故郷で初の個展 二紀展入賞作など30点、19日から

松本功全さんが回顧展で展示する第76回二紀展田村賞作「カオスの庭」(150号)

 【鹿沼】画業50年を迎えた市出身の洋画家松本功全(まつもとこうぜん)さん(71)=日光市瀬尾=が、記念の回顧展「松本功全の世界」を19~29日、市文化活動交流館で開く。美術団体の二紀会会員として活躍する松本さんの、故郷で初めてとなる個展。昨秋の二紀展入賞作を含む大作を中心に30点余を展示する。「同級生や知人が多くいる生まれ故郷で1度個展をやりたかった。想像を巡らせながら、多くの人に見てもらいたい」と話している。

 松本さんは宇宙の神秘をテーマにした心象風景を描いている。二紀展を中心に作品を発表し、同人賞を3回受賞。昨年の第76回展では、これまでの作品でモチーフとしてきた砂の円すいやアンモナイトなどを自由に盛り込んだ「カオスの庭」(150号)で田村賞に輝いた。

 塩山町生まれ。鹿沼農商高で美術部に所属し、卒業後は働きながら独学で油絵を描いてきた。20歳だった1973年、美術部顧問の恩師が出品していた二紀展に初出品し入選し昨年、50年の節目を迎えた。

 仕事のストレスで体調不良となり描けなくなった時期もあった。落選も経験した。それでも「(絵を描くことは)奥が深い。追究しても終わりがないから続けてこられた」。

 制作の場は日光市のアトリエだが、鹿沼市美術協会会員や鹿沼市民美術展の運営委員として、故郷でも活動する。

 回顧展は、二紀展出品作を中心に、初期からの代表作を披露する。「カオスの庭」のほか、会員推挙となった「刻」などが並ぶ。

 午前10時~午後5時(最終日3時)。22日は休館。

松本功全さん

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