ミュージカル「ビリー・エリオット」 主役に群馬・前橋市出身の小学6年、石黒君が抜てき 「常識破るビリーに」7月から公演

主役のビリーを務める石黒君

 日本で4年ぶりに上演されるミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」の主役に、群馬県前橋市出身の小学6年生、石黒瑛土君(11)が選ばれた。全国の1375人が参加した1年間に及ぶオーディションを勝ち抜き、念願のビリー役をつかんだ。7月から東京で始まる公演に向けて都内に引っ越して練習に励んでおり、石黒君は「常識を打ち破るビリーになりたい」と意気込んでいる。

 石黒君は母親の有紀さんがバレエ教室「YUKI BALLET」を営んでいることもあり、兄、姉に続いて3歳からバレエを始めた。バレエの曲や映像が常に流れている環境で 育ったため、お気に入りのダンサーの衣装を自作してなりきるなど「小さいころから踊ることが大好き」だった。

 同ミュージカルは日本初演時の2017年と、再演時の20年に鑑賞していた。その後、NBA全国バレエコンクールで1位に輝くなど全国区の大会で活躍。憧れのダンサー、渡部出日寿さんが20年にビリー役を務めていたこともあって、ミュージカルに挑戦することを決めた。

 オーディションは昨年3月に始まり、応募した1375人のうち書類審査を通過した215人が歌唱やバレエ、タップダンスなどレッスン形式の選考に臨んだ。班ごとに行われた1次選考の自由演技では笑顔と迫力を意識し、アピールするために受験者の真ん中でバレエの技を披露。迎えた今年1月の最終面接でビリー役の4人に選ばれたことを伝えられた。本格化するレッスンに備え、2月には都内に引っ越した。

 ミュージカルの舞台は1984年の英国。炭鉱夫の父と兄、祖母と暮らしていたビリーがバレエに興味を持ち、父の反対を受けながらもダンサーの夢に向かって突き進む物語だ。過去に日本でビリー役を演じた子どもたちは世界的なコンクールで優勝するなど活躍の場を広げている。

 石黒君も世界で活躍するバレエダンサーになることを夢見る。初主演に向けて「笑顔と迫力、切れ、爆発力で歴代のビリーを超えるのでぜひ見に来てほしい」と話した。

 公演は東京が7月27日~10月26日、大阪が11月9~24日。問い合わせはホリプロチケットセンター(☎03-3490-4949)へ。

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