色、香り上々 鹿児島で日本一早い新茶の初取引

新茶の色や香り、手触りなどを確かめる茶商ら=4日、鹿児島市の県茶市場

 日本一早い2024年産新茶の初取引が4日、鹿児島市の県茶市場であった。南薩、大隅、熊毛地区から5.9トン(本茶のみ)が上場し、1キロ当たり平均単価は前年を1121円上回る3869円と「上々の滑り出し」(県茶業会議所)。最高値も2万240円で、過去5年で最も高かった。

 入札場には、南九州市や錦江町、屋久島町など3市3町の104点が並んだ。昨年より取引が2日早かったことや雨の影響もあり、上場点数は前年より695点、数量は75.4トン少なかった。県内茶商22社の担当者らは茶葉を手に取り、鼻に近づけ、色や香りを吟味していた。

 県茶業会議所によると、今年は1~2月の気温が高めだったものの、3月は平年並みで推移し霜害もなかった。一番茶の出荷は5月下旬まで続く。店頭に出回り始めるのは4月下旬ごろから。

 取引後は神事と式典があり、関係者約200人が取引の活況と茶業発展を祈願した。同会議所の柚木弘文会頭は「暖冬の影響を心配したが、いい茶ができている。安心、安全でクリーンなかごしま茶を国内外へ広めたい」と述べた。

 23年産の県内荒茶生産量は全国2位の2万6100トン。24年産の栽培面積は前年並みの8140ヘクタールを見込む。

〈別カット〉新茶の色や香り、手触りなどを確かめる茶商ら=4日、鹿児島市の県茶市場
かごしま茶の好調な取引を願って三本締めをする関係者=4日、鹿児島市のかごしま茶流通センター

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