平林鴻三氏が死去、93歳 心不全のため 鳥取県知事3期、郵政相を歴任

平林鴻三氏=2004年撮影

 鳥取県知事を3期9年務めた元郵政相の平林鴻三(ひらばやし・こうぞう)氏が3月28日、心不全のため鳥取市内の自宅で死去した。93歳。既に家族葬を執り行った。

 平林氏は兵庫県精道町(現兵庫県芦屋市)生まれ。東京大法学部卒。自治庁(現総務省)に入庁後、出向した鳥取県で総務部長、財政課長などを務め、1974年の鳥取県知事選で初当選。当時43歳で全国最年少知事となった。

 任期途中で辞職し、83年衆院選鳥取全県区に自民党公認候補として立候補し、初当選。5期務め、郵政相などを歴任した。自民党県連会長も務めた。2003年衆院選で落選し、政界を引退した。

 知事在任中は、不景気や石油危機による物価高騰の影響で財政が厳しい中、財政対策債の発行や事業の厳しい選別などを行い、行財政改革を推進。1985年の鳥取国体「わかとり国体」に向けて施設整備や選手強化に取り組んだ。県内の東、中、西部に健康増進センターを整備したほか、老人ホームの建設を進めるなど高齢者福祉の向上に力を注いだ。県内と東京を結ぶ航空便の就航にも携わった。2004年には旭日大綬章を受章した。

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