南京大虐殺記念館で清明節の式典、犠牲者追悼 生存者36人に

写真は式典に出席した生存者の夏淑琴氏。

 南京の侵華日軍南京大虐殺遭難同胞記念館で3日午前、墓参りの習わしのある清明節〈今年は4月4日〉の式典が行われ、大虐殺の生存者や犠牲者の遺族、学生の代表が出席した。

 生存者の艾義英、夏淑琴、陳徳寿、劉民生各氏が家族とともに朝早くから記念館を訪れ、1万665人の犠牲者の名が刻まれた石碑「嘆きの壁」の前で拝礼し、献花した。長い歳月が流れ、歴史の証人が減っており、南京侵華日軍被害者援助協会に登録されている存命の大虐殺生存者は36人となった。

 これまで何度も清明節の式典に参加している日本銘心会の松岡環会長は今回も出席し、犠牲者に深い哀悼の意を表し、会場の大虐殺生存者にあいさつした。松岡氏は1988年に初めて南京に来て、残酷な真実に衝撃を受け、その後30年余り、大虐殺の歴史の真相を探り、伝えることが生活の中心となった。松岡氏は次のように語った。生存者の方たちの悲惨な経験がわれわれに警告しているように、侵略戦争の過ちを絶対に繰り返してはならない。われわれは必ず南京大虐殺の歴史を多くの人に語り、平和の願いを多くの人に伝えなければならない。
 生存者代表や遺族代表らは記念館の平和公園で紫金草の種をまいた。生存者の夏淑琴氏は「紫金草の種がここに根を張り、平和の花を咲かせる」と話した。〔南京4月3日発新華社=中国通信〕

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