【シンガポール】ロート製薬など、漢方薬企業を900億円で買収[医薬]

ロート製薬が老舗漢方薬企業ユーヤンサンを買収する(ロート製薬提供)

ロート製薬(大阪市生野区)は4日、三井物産らと共同で、漢方薬の製造・販売を手がけるシンガポールのユーヤンサン・インターナショナルの株式約86%を取得し、孫会社化すると発表した。取得額は8億Sドル(約900億円)だ。

ロート製薬が100%出資する現地特別目的会社ソアーR2Mを通じて、ユーヤンサンの親会社であるライタス・クレーン・ホールディングが保有するユーヤンサンの全株式(発行済み株式の85.9%)を取得する。ソアーR2Mとライタスは、4日付けで株式譲渡契約を締結した。残りの14.1%の株式については、株式取得の条件成立後に強制的公開買い付けを実施する。

ユーヤンサンの株式を100%取得した場合の取得総額は8億Sドルで、持ち株比率はロート製薬が約60%、三井物産が約30%。ユーヤンサンの創業家は再投資を行い約10%を保有する予定だ。

ユーヤンサンは1879年にマレーシアで創業。シンガポール、マレーシア、香港を中心に、170軒以上の漢方薬店舗と30軒の漢方クリニックを運営している。

今年1月には、ユーヤンサンの売却計画に関連して、三井物産と中国投資会社の高レイ資本集団(レイ=令に瓦、ヒルハウス・キャピタル・グループ)などが最終入札候補として残ったことが報じられていた。

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