大手モールに新たなピース 商業施設「パズル総曲輪」5日開業 末弘軒の山口さんが空きビル取得、改修

「PUZZLE SOGAWA」の前で施設のオープンを喜ぶ山口さん=富山市総曲輪4丁目

  ●コーヒー焙煎、古着、バー 異業種の3店舗が入居

 富山市中心部の大手モールに5日、新たな商業施設がグランドオープンする。通りのラーメン店「末弘軒」が店舗隣の空きビルを取得、改築し、異業種3店舗が入居する。施設名は「PUZZLE SOGAWA(パズル総曲輪)」。モールをジグゾーパズルに見立て、にぎわいに一役買う「ピース」になりたいとの思いを込めた。テナントには能登半島地震で被災し再出発する店もあり、さまざまな願いが詰まった施設で、通りに新しい風を吹き込む。

 新施設は鉄筋2階建てで、富山地方鉄道の市内電車環状線「大手モール停留所」の前にある。1階にコーヒー豆の焙煎店「一番町珈琲」とビンテージの古着を取り扱う「ハテナブック」、2階にイベントスペースを提供する「megurie(メグリエ)」が入居する。

 末弘軒は1931(昭和6)年に創業し、名物のワンタンや中華そばが市民に愛されている。3代目の山口一弘さん(66)は大手モール振興会長を務めている。2020年にかつて歯科医院だった店舗横のビルを取得。目の前に大手モール停留所がある立地を生かし、まちのにぎわいづくりにつなげたいと、ビルを改修し、テナントを募ることにした。

 入居する一番町珈琲は、同市一番町交差点に店を構え、焙煎したての豆やオリジナルのブレンドコーヒーなどを提供していたが、地震による損壊で営業できなくなり移転を決めた。新店舗は以前より飲食スペースが広く、メニューを充実させて一層の集客を目指す。大浦英朗代表(42)は「地域の活性化に貢献したい」と意気込む。

 これまでインターネット販売のみだったハテナブックは、実店舗を開業させる。本間隼人社長(39)は東京から移住し、「富山はいい人ばかりで交流が楽しみだ」と力を込める。

 メグリエは、昨年から婚活イベントや音楽ライブの場を提供しており、木~土曜の夜はバーも開く。

 山口さんは「まちがもっと面白くなる場にしたい。いろんな業種の店があることで活力が生まれる。経営者のチャレンジの場にもなればいい」と、新施設の相乗効果に期待を寄せた。

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