松川べり、花見できます 復旧の車道を歩行者用に

復旧した車道を五分咲きの桜を見ながら歩く花見客。左は地震で損傷した歩道=4日、富山市の松川べり

  ●県庁周辺、6日にも満開

 富山県内有数の桜の名所で、能登半島地震で路面が損傷した松川べりの市道(延長2.5キロ)の全区間で今年も花見が楽しめる。歩道300メートルは通れないが、3日に復旧した車道が歩行者用に開放され、桜をそばで眺められる。例年、県内で最も早く咲く松川べりでは開花が遅れて6日ごろの満開が見込まれており、週末は花見客でにぎわいそうだ。

 松川べりは両岸にソメイヨシノ530本が並ぶ。このうち県庁裏の市道は地震で地割れや隆起が生じ、車道と川沿いの遊歩道が通行止めとなっていた。市は急ピッチで復旧工事を進めており、3日から舗装が完了した車道の川側を仮歩道とした。

 好天に恵まれた4日には、桜の下を散策したり、遊覧船の写真を撮ったりする人の姿が見られた。市役所近くの会社に勤め、毎年訪れるという上野明美さん(57)は「工事をしていて、いつも通り見られるか心配だったけど、やっぱり桜はいいですね」と薄ピンクの花に見入った。

 富山市の主婦針山安子さん(74)は友人と訪れ「思ったより咲いていてきれい。歩けるようになっていてよかった」と笑顔をみせた。埼玉県から夫婦で旅行中の高田紀子さん(67)は富山城址公園で花見を楽しみ、市道の工事や護岸のブルーシートは「あまり気にならなかった」とした。

 水面に近い石畳は、損傷の激しい県庁周辺以外は通常通り歩くことができる。露店や夜間のライトアップは取りやめとなった。市の担当者は「立ち入り禁止区域には入らず、安全に花見を楽しんでほしい」と話した。

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