城戸特任教授に「フェロー」授与 山形大、有機EL研究

山形大から「フェロー」の称号を授与された城戸淳二氏(左)=山形市・同大

 山形大は4日、有機EL研究の第一人者で2023年度末で定年退職し、特任教授に就任した城戸淳二氏(65)について、先月新設した称号「フェロー」を授与したと明らかにした。専門分野で優れた業績を残し、教育研究活性化に貢献する人材と認めた。城戸氏は4日の同大の記者会見に出席し「まだまだやりたいことがある」と若手育成などに意欲を示した。

 玉手英利学長は「フェローは仲間などの意味。山形大の顔である先生に、退職後も共に歩む存在として活躍いただきたい」と説明した。城戸氏には同大の研究オフィスを生涯にわたり提供する。城戸氏は一層の研究開発やベンチャー企業立ち上げなどに意欲を示した。「技術革新などをもたらす若手の育成が研究以上に重要だ」とも話し、高校などを訪問する機会を増やしたいと展望した。

 フェローは退職した教員に授与する。同大によると対象はノーベル賞の受賞者や、文化勲章、紫綬褒章の受章者など。大阪府出身の城戸氏は1989年に助手として同大に着任した。93年に世界初となる白色有機EL素子の開発に成功した。同大を有機EL研究拠点に発展させ、2013年に紫綬褒章を受けた。

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